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平成27年9月11日(金)本会議 代表質問

1)地方税財政制度の見直しについて

(質問要旨)

現在、国を中心に、地方創生に向けた議論が活発化している。
国が主導する施策だけではなく、地方が自らの責任において、それぞれの実情に沿った施策を実施し、国と地方が一体となって取り組んでいく必要があり、そのためには、地方の仕事量に見合った十分かつ安定的な税源が確保されなければならない。
しかしながら、国は、地方団体間の財政力格差を是正するために、地方税のうち、法人事業税や法人住民税の一部を国税化する手法を用い、再配分している。
そこで、地方創生の実現に向けては、地方団体間の財政力格差の是正を含め、地方の成長力を担保する財政基盤の確立が必要であると思うが、その前提となる地方税財政制度について、現行制度の問題点をどのように捉え、それをどのように見直していくべきと考えているのか、所見を伺いたい。

(知事答弁)

髙橋議員のご質問に順次お答えします。
はじめに、地方税財政制度の見直しについて、お尋ねがありました。
地方自治体が、地域の実情に即した施策を自主的・自立的に行うためには、仕事量に見合った税源を確保する必要があります。
しかしながら、現行制度では、地方と国の税源配分が4対6であるにも関わらず、歳出規模は6対4と逆転しており、地方は、仕事量に見合った税源を確保できていないという根本的問題があります。
また、地方交付税の原資が不足し、交付税総額が確保されていないことから、地方は、多額の臨時財政対策債の発行を余儀なくされていることも問題です。
さらに、自治体間の税収格差を是正するため、国は、地方税を国税化し、地方法人特別税や地方法人税を創設しましたが、その手法は地方分権の観点から容認できるものではありません。
こうした問題を解決するためには、現行の地方税財政制度を抜本的に見直し、所得税から住民税への一層の税源移譲や地方消費税の税率引上げなどにより、地方の仕事量に見合った税源を確保することが不可欠です。
また、抜本的な見直しまでの間は、臨時財政対策債を廃止し、交付税総額を確保する必要があります。
さらに、地方法人特別税と地方法人税は、速やかに撤廃し、地方税に復元すべきです。
超高齢社会への対応や少子化対策など、地方の仕事量の増大が見込まれる中、こうした税財政制度の見直しは待ったなしです。
今後とも、九都県市や全国知事会などと連携し、様々な機会を捉えて、国に要請してまいります。

2)地方創生に係る市町村との調整について

(質問要旨)

今般の地方創生の取組においては、県と同様市町村でも、それぞれの地域の課題を踏まえて、総合戦略と人口ビジョンを策定することと承知している。市町村にとっては、人口減少が引き起こす課題は、自治体運営や地域社会の存続に関わる大変重要な課題であり、市町村もこれに本気で取り組む必要がある。
また、各市町村が独自に取り組む事業のほか、県から、市町村と連携して広域的に取り組む事業等の投げかけを行うことも必要である。
一方、県としても、今後、「県総合戦略」をまとめていくことになるので、市町村の意見も踏まえ、共通の認識のもとで、総合戦略を策定していくことが重要である。
そこで、県として、地方創生に係る総合戦略や人口ビジョンのとりまとめに向けて、市町村とどのように調整を行い、整合を図ろうとしているのか、所見を伺いたい。

(知事答弁)

次に、地方創生に係る市町村との調整について、お尋ねがありました。
地方創生の人口ビジョンと総合戦略は、県と市町村それぞれが責任を持って、自らの考えで策定するものですが、相互に連携して最大の効果をあげられるよう、十分に調整して整合のとれたものとすることが重要です。
そのためには、県と市町村で十分に意見交換することが大切であり、市長会議、町村長会議や、地域ごとの首長懇談会において、トップ同士で直接議論するほか、事務方の調整の場も設けています。
特に、地域別首長懇談会では、地方創生に対する私の考え方をしっかり申し上げ、県の人口ビジョンや総合戦略の策定方針もお伝えして、多岐にわたる事項について中身の濃い議論を交わしてきました。
その結果、例えば、近隣の市町村で人口を奪い合うのではなく、それぞれが独自性を発揮し、地域全体として底上げを図ることが重要とのご意見や、「DMO」ディスティネイション・マーケティング・オーガナイゼイション、地域の観光振興を戦略的に推進する専門的な組織、この設置などの具体的な提案もいただきました。
また、事務方では、既存の県・市町村間行財政システム改革推進協議会の下に「地方創生部会」を設置し、各市町村の実情に応じた調整を行うとともに、地域県政総合センターに「相談窓口」を設置し、個々の市町村からの質問にワンストップで対応しています。                 
こうした場を活用して、人口ビジョンについては、地域ごとに前提とする合計特殊出生率の設定や社会増減の考え方などについて、県と市町村で大きな齟齬が生じないよう調整を図っています。
また、総合戦略については、県が広域的に取り組む「県西地域活性化プロジェクト」や「観光の核づくり」などの地域活性化策について、関係市町村の総合戦略にも盛り込んでいただき、市町村と連携して効果的に施策を実施するよう、整合を図っています。
このようにして、県と市町村が力を合わせて神奈川らしい地方創生に取り組めるよう、しっかりと調整してまいります。

3)神奈川県観光振興計画の改定について

 (質問要旨)

「神奈川県観光振興計画」は、本年度末で計画期間が満了し、計画の改定作業を進めているが、今後、東京オリンピック・パラリンピック競技大会などを契機として、外国人観光客の誘客を中心とした、より戦略的な観光振興が求められる。
例えば、実際に本県を訪れた外国人に観光を楽しんでもらうため、様々な手法で情報発信する視点も重要である。さらに、神奈川の歴史や食文化を観光資源として活用したイベントにより、外国人にPRするなど「観光と文化の融合」という視点も必要である。
そこで、観光振興計画の改定に当たり、積極的なプロモーションによる外国人観光客の誘客や、神奈川の歴史文化等を活用した誘客の推進など、戦略的な視点が必要と考えるが、所見を伺いたい。

(知事答弁要旨)

次に、神奈川県観光振興計画の改定についてお尋ねがありました。
今後、観光振興を図っていく上で、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、多くの外国人観光客に訪れていただくために、神奈川の魅力を発信するプロモーションを積極的に展開していく必要があります。
一方、一口に外国人観光客と言っても、日本を訪れる目的が、欧米諸国とアジア諸国とでは異なる傾向があり、さらに、個人旅行の増加に伴いニーズも多様化しています。
そのため、外国人観光客の目的やニーズを調査・分析し、それにマッチしたプロモーションの内容や方法を検討していく必要があります。
また、国際会議への出席など、ビジネスで訪れている方々に、アフターコンベンションツアーに参加していただき、フェイスブック等を通じて神奈川の魅力を発信していただくことも有効です。
こうしたプロモーションは、地域の観光資源のマーケティング等を行うために、今後、各地域において設置が検討される「日本版DMO」との連携も視野に入れて、戦略的に展開していきます。
次に、歴史・文化等を活用した誘客についてです。
神奈川には、古都・鎌倉の寺社仏閣などの歴史的建造物、また、ユネスコ無形文化遺産に指定された三浦のチャッキラコ等の民俗芸能など、世界に誇れる歴史・文化が多数あります。
こうした歴史・文化を観光資源として活用し、イベントを開催することは、誘客を促進する上で有効です。
県は、市町村や関係団体と連携し、地域の伝統芸能と現代の舞台芸術をコラボレーションさせた「カナガワ リ・古典プロジェクト」を開催しており、今年は11月に大山阿夫利神社で開催します。
こうした文化イベントをさらに推進するとともに、神奈川の歴史や文化を実感していただくために、旅行会社と連携して、地域の祭りへの参加など、体験型の旅行商品の企画も促進していきます。
神奈川県観光振興計画の改定に当たっては、戦略的なプロモーションの展開や、歴史・文化を活用したイベントの開催などを盛り込み、かながわグランドデザインで掲げた、2018年までに入込観光客数を2億人とする目標を達成してまいります。

(要望)

外国人観光客を誘客促進していくために、外国人向けの旅行商品企画に力を入れたり、宿泊を伴う周遊・滞在を促進するということで、知事も答弁された日本版DMOの活用については、是非、官民共同で地域間連携を進め、神奈川らしいDMOの促進に取り組んでいただきたい。

4)国際観光戦略を意識した芸術文化政策の展開について

(質問要旨)

オリンピック憲章において、開催国には文化プログラムの実施が義務付けられ、海外から多くの方々を迎えるにあたり、神奈川でしか見ることができない魅力的なコンテンツをはじめとして県全体が文化芸術で満ち溢れている必要がある。
これまでマグカル事業を展開してきたが、オリンピック・パラリンピックまでの5年間は、芸術文化政策、マグカル事業を推進、定着させる正念場になるため、国、県、市町村、民間団体などが英知を結集し、国際観光戦略の重要コンテンツとして、更に充実・展開させていかなければならない。
そこで、アジアをはじめとする世界を意識した「発信力」と、神奈川の魅力で人々を引き付ける「引力」を重視した芸術文化政策を、国、市町村のみならず民間の文化芸術団体などと連携しながら進めていくべきだと考えるが、所見を伺いたい。

(知事答弁)

次に、国際観光戦略を意識した芸術文化政策の展開について、お尋ねがありました。
文化芸術の魅力で人々を引きつける、マグネット・カルチャー、マグカルは、経済のエンジンを回す、国際観光戦略の重要な取組みです。
マグカルについては、これまで県庁本庁舎大会議場での演劇公演をはじめ、様々な事業を進めるとともに、WEBサイト「マグカル/ドットネット」やSNSを活用して県内の多くの文化情報を発信しています。特に今年度は、ラサール石井さん制作の神奈川発のオリジナル/ミュージカル、HEADS・UPを創造型劇場であるKAATで11月に上演する予定です。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けては、このような神奈川オリジナルの魅力的な作品の制作、上演をはじめとして、日本を訪れる方々に「神奈川に行けば何かあるぞ」と思ってもらえるコンテンツを充実させる必要があります。
例えば、県庁周辺では、アジアを中心にした舞台芸術家たちが一堂に会し、公演などを実施する「舞台芸術の見本市」、TPAMを5年前からKAAT主導で実施しており、昨年度は27会場、171の演劇やダンス等の公演に、9日間で1万4千人以上の参加者がありました。今後は一般の方が親しめるような作品も盛り込み、広報を効果的に展開し、より多くの参加者を募るとともに、国を越えた作品制作にも取り組むなど、内容を充実させて、その成果を神奈川から世界に発信していきます。
また、県内には既に様々な芸術文化に取り組んでいる市町村や芸術団体等が数多くあります。今後は、国とも密接に連携しながら、オリンピック・パラリンピックの文化プログラム推進のために、市町村や民間とともに、様々な事業をブラッシュアップし、人々を引き付けるよう、観光施策と一体となってマグカルに取り組んでまいります。

5)地域医療構想を踏まえた在宅医療の提供体制について

(質問要旨)

地域医療構想の策定にあたり、県が2025年の医療ニーズを推計したところ、必要となるベッド数は、約1万床の不足が見込まれるとともに、在宅医療等が必要な方は、1.7倍ほど増加するとのことである。
しかし、在宅医療の提供体制は現状でも十分整備されておらず、2025年までに在宅医療のニーズを受け止めるだけの提供体制が整うのか、誰もが不安に感じるところである。そこで、2025年に向けてスピード感をもって体制整備を進めるため、本県として、在宅医療の推進や医療と介護の連携に係る市町村の取組を支援する必要がある。
一例ではあるが、千葉県柏市の「長寿社会のまちづくり」においては、在宅医療を担う医師等の増加や多職種連携の推進などが進められており、本県でもそうした取組を推進する必要があると考える。
そこで、2025年に向けて在宅医療の提供体制を整備するため、どのように取組を進めるのか、所見を伺いたい。

(知事答弁要旨)

次に、地域医療構想を踏まえた在宅医療の提供体制についてです。
急速な高齢化の進展に伴い、在宅医療の充実は喫緊の課題です。
担い手となる医師や看護師、介護職員などの人材はまだまだ不足しており、多職種が円滑に連携するための患者情報の共有も不十分です。
また、県内どこに住んでいても安心して在宅医療が受けられるよう、市町村の取組みを支援していく必要があります。
そこで県では、在宅医療を担う人材を育成するため、この10月に、県医師会と連携して、在宅医療トレーニングセンターを、保健福祉大学実践教育センター内にオープンします。
このトレーニングセンターでは、在宅でのがん緩和ケアや褥瘡ケアなどの実技研修を行います。
また、多職種の円滑な連携を促進するため、秦野・伊勢原地域において、病院、診療所、訪問看護ステーションなどが患者情報を共有するICTシステムのモデル事業を実施します。
さらに、9月補正予算案では、市町村と地域の医師会が連携して実施する、医師向けの在宅医療研修などに補助することにしました。
今後とも、2025年に向けて、スピード感を持って、在宅医療の提供体制を整備してまいります。

6)ヘルスケアICTについて

(質問要旨)

ヘルスケアICTシステムの構築や基盤整備により、健康・医療情報の集積や、患者、医療機関等、多様な分野・主体による利活用が進むことで、「ヘルスケア・ニューフロンティア構想」が大いに推進されるものと思われる。
一方、ヘルスケアICTの推進に当たっては、情報セキュリティ対策の問題等の技術的な課題だけではなく、収集・集積する健康・医療情報の項目や内容の検討など、乗り越えるべき課題が多く存在するが、例えば、情報提供に係るインセンティブを付与する方策を検討し県民参加を促進する、または、地域包括ケア等の様々な関係情報システムとの連携を行うなどの具体的な戦略をもって、臨むことが必要である。
そこで、ヘルスケアICTについては、今後、どのような戦略的な展開を考えているのか、また、特に今年度は具体的にどのような取組を行うのか、併せて伺いたい。

(知事答弁要旨)

次に、ヘルスケアICTについて、お尋ねがありました。
本県は、健康・医療情報を電子化して、活用するヘルスケアICTシステムの構築に向け、医療・介護の現場での活用や、研究・開発の促進、さらには、個別化医療の実現を目指した取組みを進めています。
このシステムは、平成32年を目途に、段階的に活用の範囲を広げていく構想であり、まず、行政として、県民の安全・安心を確保するという観点から、災害・緊急時への活用を最優先に取り組んでまいります。
具体的には、災害時に避難所に避難された方が、普段飲まれているお薬が分からない場合には、必要な情報を提供できるようなシステムを開発することを想定しています。
そこで、今年度は、災害時などの緊急時の活用を想定したシステムの開発と実証を行います。
このため、医療機関などとも連携して、スマートフォンなどを活用して、自らの病名や投薬情報等を閲覧することができるアプリケーションの実証を、1,000人規模で行います。
次の展開として、県民・個人の健康診断データや、日常生活で計測する血圧、脈拍等のデータ、いわゆるバイタルデータなど、利用できる情報の対象を広げ、県民の皆様の主体的な健康管理に活用できるようにしていきたいと考えています。
さらに、医療・介護の分野などにおいても、このシステムの活用により、医薬品や医療機器の研究開発、医療の高度化などを実現することを目指しています。
今後、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進に向け、国の次世代医療ICT基盤協議会等とも連携を図りながら、個人・患者を中心においたヘルスケアICTシステムを構築してまいります。

(再質問)

先ほど知事の御答弁の中で、ヘルスケアICTについて御答弁いただきましたので、これについて、再質問させていただきたいと思います。
先ほど御答弁の中で、本年度は1,000人規模の県民参加を得て、実証をしていくという趣旨の御答弁がありました。
過日、かながわグランドデザインの第二期の実施計画が発表されまして、この中にも、このヘルスケアICTの項目がありまして、「マイME-BYOカルテ」、個人向け健康・医療カルテの利用者数、2020年には利用者100万人、2018年にはその半分の50万人が目標ということで掲げられておりました。
今の御答弁にありました1,000人規模の県民参加からすると、たいへん数字に乖離があるなという思いで伺ったわけですけれども、戦略的な取組みをしていかないと、なかなかこのグランドデザイン第二期実施計画に掲げた数値目標には、到達しないのではないかなと、こんなふうに懸念をしてしまいます。
先ほど知事からも、個別化医療の展開へというようなこともございました。この個別化医療ということも踏まえまして、ヘルスケア全体が担う使命といいますか、大きな戦略論といいますか、こういったことも県民理解のもと進めていかないと、今申し上げた利用者数には届いていかないのではないかなと、このように危惧してしまいます。
こういったところで、どのように戦略展開、こういったことをもう少し考えておられたら、お聞かせいただきたいと、よろしくお願いします。

(知事答弁)

本年度に作成するアプリケーションは、利用者のメリットや利便性などについて、実際に使用していただきながら検証を行うために、まず、1,000人規模を想定しています。
最初、1,000人規模で2020年に、100万人までにいくのかどうかという疑問でありますけれども、もともと最初の年度は1,000人規模を想定したシナリオでありました。
今回の「マイME-BYOカルテ」といった構想は、一人ひとりが自分のヘルスケア、ヘルスの状態というものを、まさに未病の状態を自分でチェックして、自分でこれを改善させていっていただきたい、そういったような大きなプロジェクトであります。
皆さんがそれぞれ未病を感じていただくといったことは大事でございますけれども、自らの自発性だけに頼るのでは無く、今度は前と違って、先ほど申し上げましたけれども、災害時、これに対して役に立つような体制を創らなければならない、そういった視点からも、こういった規模を膨らませていきたいと考えております。
今回の検証の結果を踏まえまして、より使いやすいアプリケーションを開発しまして、併せて、企業や団体と連携した幅広い普及活動を行い、より多くの県民の方々に利用していただけるよう取組みを進めていきたいと、そのように考えております。

(要望)

是非ですね、使い勝手のよさを追求していただきまして、戦略的な取組みを進めていただきたいと思います。

7)新たなイノベーション創出支援機関と特区との連携について

(質問要旨)

産業技術センターとKASTを統合し、地方独立行政法人設立に向けた準備が進
められているが、新たなイノベーション創出支援機関となる新法人は戦略的な観点で事業運営を行うことが必要である。
現在、県では3つの特区を推進しており、新法人が県内企業のイノベーション創出を支援していくためには、こうした県の政策と連動し、取組の効果を最大化させることが重要である。その際、海外の研究機関などとの連携も視野に入れ、共同して研究開発を進めることができれば、新たな成果に結びつく可能性も高まると考える。
このような視点で新法人の取組を検討、推進し、県内からイノベーションを巻き起こし、産業の活性化につなげることが重要である。
そこで、今後、新たなイノベーション創出支援機関の取組を検討していく中で、特区との連携については、どのような考え方に基づいて実施していこうと考えているのか、所見を伺いたい。

(知事答弁要旨)

最後に、新たなイノベーション創出支援機関と特区との連携について、お尋ねがありました。
新たな支援機関は、革新的な技術や製品の研究開発を支援し、イノベーションを促進することにより、競争力の高い産業の創出を図ることを目指しています。
そして、現在、そのために実施する事業について、特区との連携を含め、検討を進めており、来年春には、外部の有識者からなる評価委員会を立ち上げて議論を重ね、具体的な事業を整理していきます。
特区との連携に関する現時点での考え方としては、新たな支援機関の母体となる「神奈川科学技術アカデミー」と「神奈川県産業技術センター」の2つの組織の強みを生かして、3つの特区が目指している競争力が高い新たな産業の創出を促進してまいります。
「神奈川科学技術アカデミー」は、現在、食品の機能性評価の基礎研究などを進めており、また、「神奈川県産業技術センター」は、生活支援ロボットの開発支援などを行っています。
統合後は、そうした実績を活かすとともに、国内外の研究機関や企業等と連携して、基礎研究から製品開発まで一体的に支援を行う体制を整備することにより、ライフサイエンスやロボット関連分野の革新的な製品開発を、継続的・総合的に支援していきます。
こうした取組を通じて、新たな支援機関は、特区の事業を推進する一翼を担うとともに、新たな産業の創出を牽引してまいります。 
私からの答弁は以上です。

【要望】

新たなイノベーション創出支援機関と特区との連携についてですが、この夏、会派で北陸産業活性化センターというところを訪問してまいりました。
すでに文科省の予算を受けまして、北陸3県で平成25年8月から北陸ライフサイエンスクラスターというのを立ち上げて始動しております。そういうことを踏まえますと、国際競争力の強化ですとかを睨みまして、国際動向調査ユニットといったものを設けて独自展開されておりますが、ぜひ国内外の既存機関ともしっかり連携しながら、本県ならではの新しい産業創出のあり方というものも模索していただければなといったことを要望させていただきます。

8)県立高校改革を踏まえたインクルーシブ教育の推進について

(質問要旨)

本年1月に発表された県立高校改革基本計画の中で、高校におけるインクルーシブ教育に率先して取り組むこととし、インクルーシブ教育実践推進校を指定する予定であると承知している。
推進校の指定においては、推進校が担う役割を明確にし、高校で障がいのある子どもをしっかりと受け入れる入学者選抜の方法や、安心して高校で学ぶことができる指導体制、子どもたちの希望を大切にした進路指導のあり方について、十分な計画を立てることが重要である。
また、推進校の配置については、県民のニーズに配慮しつつ、県立高校におけるインクルーシブ教育を、円滑に進めていくべきである。
そこで、県立高校改革を踏まえたインクルーシブ教育の推進にあたり、インクルーシブ教育実践推進校の指定については、どのような考え方で進めていくのか。また、その規模や、どのように地域展開を図っていくのか、併せて伺いたい。

(教育長答弁要旨)

教育関係について、お答えします。
インクルーシブ教育実践推進校の指定について、お尋ねがありました。
現在、県立高校改革の中で、インクルーシブ教育実践推進校の指定について検討しています。 
この実践推進校については、障がいのある生徒の高校で学ぶ意欲を受けとめるため、入学者選抜方法の改善や、入学後の、一人ひとりの教育的ニーズに基づき、その能力を伸ばすための教育課程の弾力化ができるよう考えています。
あわせて、3年間を通した計画的なキャリア教育に力を入れるとともに、企業や労働関係機関とも連携した支援体制を構築し、生徒が希望する進路の実現を図っていきたいと考えております。
これらの取組により、障がいのある子どもが意欲をもって高校に入学し、在学中を通じて能力を伸ばし、そして、実社会で活躍することができるよう、新しい仕組みを整えてまいります。
そのため、まず、県立高校改革の最初の4年間で、インクルーシブ教育の実践に取り組むパイロット校を、3校程度指定する予定です。
この実践推進校では、平成28年度に入学者選抜を行い、29年度から、障がいのある生徒を一定の人数、受け入れていくこととしています。
そして、これらの高校での取組を検証しながら、実践推進校を、計画期間中に、20校程度まで段階的に拡大したいと考えています。また、その際、地域的なニーズに応えるため、生徒ができるだけ身近な高校で学べるよう、全県的な地域バランスを考慮して検討してまいります。

再質問要旨

先ほどインクルーシブ教育のところで、実践推進校3校から20校へというご答弁をいただきました。地域についてもどのような展開かというふうにお聞きしたつもりだったのですけれども、全県的なニーズを把握しつつというような主旨でご答弁あったのかと思うのですが、20校とある程度明確に答えられたということはハードソフトの両面からにらんで、ある程度想定をした上での具体的な校名が頭の中にあるのかなと思いをいたしまして、全県的なニーズを踏まえた全県展開ということですが、およそどのくらいの地域をイメージされているのかお伺いしたいと思います。

再質問答弁要旨

県立高校改革におけるインクルーシブ教育の推進は、まずはパイロット校として3校程度からスタートし、最終的には20校程度まで広げていく。その20校程度というのは全県ということで、障害のある子どもたちが通学に負担を感じないように全県的な案で20校程度と考えております。

要望

このインクルーシブ教育についても非常に関心の高いところで、本県が先駆けての取組になりますので、ぜひ努力していただくように要望していきたいと思います。

9)小中一貫教育校のモデル校の検証と今後の取組について

(質問要旨)

本県では「小中一貫教育校の在り方検討会議」を立ち上げ、本年2月の一次報告には、小中一貫教育校を進める背景として、県内の小中学校における問題行動など様々な課題があげられている。
その課題を解決するため、「小中一貫教育校」の導入が有効な方策であり、本県としても地域の多様性を尊重した、神奈川らしい小中一貫教育校を推進していくものと期待している。
今年度は、県として小中一貫教育校のモデル校を指定し、取組を進めているが、モデル校の取組を把握し、その成果を検証することは、小中一貫教育校を推進する上で大変に重要である。
そこで、本県では、小中一貫教育校のモデル校の取組が始まったばかりではあるが、今後、モデル校の成果をどのように検証しようと考えているのか。また、今後、小中一貫教育校の取組をどのように進めていこうと考えているのか、併せて伺いたい。

(教育長答弁要旨)

次に、「小中一貫教育校」のモデル校の検証と今後の取組について、お尋ねがありました。
県教育委員会では、今年度から、「小中一貫教育校の在り方検討会議」の報告を踏まえ、海老名市、秦野市及び箱根町の3地域の小・中学校を小中一貫教育モデル校に指定し、取組を始めたところです。
今後、各地域のモデル校を支援していくため、この10月に、新たに、有識者やモデル校の担当教員などをメンバーとした「小中一貫教育校連絡協議会」を設置する予定です。
この「連絡協議会」では、モデル校における、小中一貫教育校の導入による児童・生徒の意識や、教職員の学習指導、生徒指導の変化等を把握するため、アンケート調査を実施することとしています。
取組の成果については、このアンケート調査や、国が毎年実施している「児童・生徒の問題行動等調査」などの結果を分析し、「連絡協議会」において検証、評価してまいりたいと考えております。
次に、今後の小中一貫教育校の取組についてです。まずは、モデル校の成果を普及していくことが大切ですので、今年度中にリーフレットの作成や専用のホームページを開設します。そして、県内の全ての小中学校と市町村教育委員会に、広く情報を発信していきます。
また、県内で幅広く小中一貫教育校を導入していくためには、小中学校の規模や地理的条件など、それぞれ地域の実情に見合ったモデル校の取組が必要です。
そこで、県教育委員会では、来年度に向けて、市町村教育委員会と連携して、新たな地域でモデル校を指定するなど、取組を拡大してまいります。

10)高校生に対する奨学金の今後のあり方について

(質問要旨)

平成26年度には、高校生等奨学給付金により、低所得世帯の授業料以外の教育費負担を軽減する制度が創設されたが、私立高校授業料や、クラブ活動などの校外活動費など、公費負担で賄いきれない教育費の負担は多くあり、教育の機会均等に向けて、奨学金制度が果たす役割は、大変重要なものである。
本県では、国の交付金により設置した「高校生等修学支援基金」が平成26年度に廃止となっても、高等学校奨学金の成績要件を緩和し継続しているが、その考え方には、成績に着目した精神が残っている。
本県として、勉学意欲のある生徒に対しては、成績によることなく、しっかりと支援すべきであり、子どもの貧困対策とも関連し、奨学金のあり方を、抜本的に見直す時期に来ている。
そこで、高校生に対する奨学金の今後のあり方について、所見を伺いたい。

(教育長答弁要旨)

次に、高校生に対する奨学金の今後のあり方について、お尋ねがありました。
本県では、学業の成績が優れ、学資の援助を必要とする高校生に対し、高等学校奨学金を貸し付けています。この奨学金は、奨学生からの返還金のほか、ここ数年は、国の臨時特例交付金を財源として、貸付条件である成績要件を緩和し、貸付規模を拡大してきました。昨年度は、公立高校の生徒約1,400人、私立高校の生徒約3,300人に、総額18億4,000万円の奨学金を貸し付けております。しかし、昨年度末をもって、国の臨時特例交付金が廃止されたことから、これまでと同じ貸付規模を維持することは難しい状況にあります。
その一方で、家庭の経済状況にかかわらず、学ぶ意欲がある子どもに、教育を受ける機会を保障することは公教育として大変重要なことと認識しております。経済的な課題を抱えた子ども達への就学支援は、喫緊の課題です。また、近年、高校生等奨学給付金など、返済の必要がない給付型の就学支援制度が充実してきています。そこで、貸付型の奨学金については、将来の返済負担を考慮すると、奨学生が必要以上に借り過ぎないようにすることも大切です。
こうしたことから、今後の奨学金のあり方として、教育の機会均等という点を重視し、これまでの育英のための奨学金から就学支援のための奨学金へ転換する方向で、その見直しを検討してまいります。具体的には、成績要件を撤廃し、学資の貸付が必要な生徒には、しっかりと援助するとともに、返済の負担軽減及び制度の継続性の観点から、貸付上限額の引下げなども考えていきます。こうした見直しにより、学ぶ意欲のある子ども達の就学を安定的に支援する奨学金制度としてまいります。

11)県立体育センターと県立総合教育センターの一体的整備について

(質問要旨)

体育センターと総合教育センターは、老朽化がかなり進んでおり、体育センターについては、県が設置したあり方検討会議が、本年3月に再整備に向けた報告をまとめ、運動・スポーツから未病を治すといった視点なども念頭に置きつつ、本館棟や第2体育館の建替えなど、整備の方向性についての提案がなされている。
また、効率的な施設整備の面などから、体育センターと総合教育センターの一体的整備も指摘され、県もその方針であると承知しているが、総合教育センターについては、子どもの貧困対策を原因とする教育相談なども増えることが見込まれ、これまで以上に関係機関と連携した相談対応が必要になる。
そこで、設置の目的や対象が異なる体育センターと総合教育センターの一体的整備を進めるにあたっての、県としての考え方とその効果について伺いたい。

(教育長答弁要旨)

次に、県立体育センターと総合教育センターについての一体的整備についてです。
現在、体育センターは、屋内外の体育施設を広く県民の皆さんに提供するほか、体育教員の研修やスポーツに関する調査研究などを行っています。
また、総合教育センターは、善行庁舎で教員研修全般や教育に関する調査研究を行うとともに、亀井野庁舎では、年間1万6千件を超える教育相談に対応しております。
県教育委員会では、こうした両センターの機能を踏まえた上で、その一体的整備について、専門的な調査検討を進めています。
この検討にあたっては、まず、これまで体育センターと総合教育センターが別々に行ってきた研修や調査研究の機能、さらには管理機能などを一元化して整備することを基本と考えています。併せて、体育センターの合宿所と教員研修の宿泊施設の集約化なども検討しております。
また、総合教育センターの亀井野庁舎を廃止し、教育相談機能を集約することで、研修、調査研究、相談のより一層の連携を図りたいと考えています。
このように、2つのセンターを一体的に整備することで、施設の維持管理面などにおいて効率化が図れるものと見込んでいます。
また、総合教育センターの2つの庁舎体制を解消することで、教育相談の成果を、教員の研修や授業改善の研究に速やかに反映でき、より効果的な人材育成が行えるものと考えております。
今後とも、一体的整備の効果が最大限発揮できるよう、引き続き取り組んでまいります。
答弁は、以上でございます。

平成26年9月17日(水)本会議 一般質問

1)県内経済の活性化の観点からの「未病産業研究会」の活動の推進について

髙橋稔 質問要旨

 国家戦略特区では「健康・未病産業や最先端医療関連産業の創出」が位置づけられ、健康・未病産業は、健康長寿社会の実現と、超高齢社会を乗り越えるための成長産業として期待されている。先月、様々な業種から多数の企業や団体が参加して未病産業研究会が設立され、神奈川発の未病産業の創出に向け、具体的な取組をスタートさせた。
  今後、本県として積極的に企業の取組を支援し、未病産業の創出に先鞭を付け、企業・団体が自律的に未病産業において発展していける仕組みを構築していくべきであり、また、国による各種支援メニューの活用や、規制緩和を国に働きかけるなどの取組を進めるべきである。
 そこで、県内経済活性化の観点から、「未病産業研究会」の活動を、どのように力強く推進していくのか。また、国とどのように連携していくのか、併せて伺いたい。

知事答弁

 はじめに、県内経済の活性化の観点からの「未病産業研究会」の活動の推進についてお尋ねがありました。
「未病産業研究会」では、神奈川発の「未病産業」という新たな産業が、県内各地で、さまざまな業種や規模の企業により創出され、新たなビジネスや雇用を生み出していくことで、県内経済の活性化につなげていくことを目指しています。
先月22日の設立総会には、私も出席しましたが、実に多様な業界の企業の皆様にご参加いただき、会場は熱気にあふれていました。それだけ産業界が「未病産業」に強く期待しているのだと、私自身、驚くと同時に、大変心強く感じたところでした。
 今後、会員企業からの提案を生かして、県は、未病産業の創出につながる先駆的なモデル事業に取り組んでいきます。
 さらに、さまざまな企業、医療機関、大学、研究機関等との幅広い交流・連携を積極的に進めていくとともに、実証フィールドの提供や技術支援を行う環境づくりなどにも取り組んでいきます。
また、新たな産業を創出していく際には、現行の法令による規制が障壁となったり、資金面からのバックアップが必要となることが想定されます。
 そこで、まず、岩盤規制の突破口を開く「国家戦略特区」を活用し、規制緩和等に向けた取組みを、県内全域で積極的に推進していきます。
 一方、国は、「健康・医療戦略」を7月に閣議決定しました。その中で、本県からの強い提案により、「未病」という言葉が初めて国の政策の中に明記されたことは、画期的なことです。
 国では、今月、「地域ヘルスケア産業支援ファンド」を設立するなど、資金面からの支援を強化しています。県としては、こうした支援策についても、事業者が積極的に利活用できるよう、国としっかりと、タッグを組んでまいります。
 今後も、国を巻き込みながら、神奈川発の未病産業の創出に全力で取組み、県内経済の活性化につなげてまいります。

高橋稔 再質問

 先ず、知事に再度お伺いしたいと思います。未病産業研究会の今後のいっそうの推進でございます。知事も国とタッグを組んで、しっかり取り組んでいく旨のご決意を表明して頂きました。心強い限りでございます。
 先行して、本件ではモデル事業の実施ということで、今急いでおられるのではないかという風に思ってございます。この最初のモデル事業の成否、大変に重いものだと思います。
 しっかりこの研究会の皆様と、呼応した本県のこの力の出し方、また、国をも巻き込めれば巻き込んでいく。また国では、一歩先んじて先の報道によりますと、この地域支援機構、こういったところでのファンドの造成、こういったところで特に健康産業に対する基金の造成、こういったことが報じられておりました。大変追い風になってくるのではないかと期待しているところであります。
 併せて、モデル事業の推進についての進捗等についてもお聞かせ頂ければありがたいなと思っております。

知事答弁

 今、2つの追加質問を頂きました。いずれも具体の話になりますので、担当局長から答弁させます。

佐久間局長答弁要旨

 それでは私の方から、今ご質問のありました、モデル事業について答弁させていただきます。
 先程知事が答弁いたしましたように、未病産業研究会、8月22日現在、64法人で設立を致しまして、その企業様相手にモデル事業を現在募集しておるところでございます。
 大変手ごたえがありまして、今見通しでは30提案ほどは出てくるものだと思ってございます。今月中に一度締めさせて頂きまして、10月には採択事業を決定致しまして、今年度後半に取り組んで参りたいというふうに考えております。
以上でございます。

2)特定健診等の受診率向上について

髙橋稔 質問要旨

 本県は健康寿命日本一を目指して、未病を治す取組を進めているが、健康寿命の延伸は高齢者自身の生活の質の向上や医療費の適正化につながる。そのため、生活習慣病の予防に向けた特定健診・保健指導の果たす役割が重要となる。しかし、本県市町村国保の特定健診の実施率は全国44位、特定保健指導は全国最下位と低迷している。
 全国的に見ると、景品の提供やレセプトデータの分析に基づく保健指導など様々な工夫がなされており、今後、思い切った取組が重要となる。一方、市町村からは体制整備が課題との声もある。市町村が足並みを揃え、実施率の向上に結びつく効果的な取組が実施できるよう、県として支援を行っていく必要がある。
 そこで、市町村国保が特定健診・保健指導の実施率向上に向けて実効性のある取組が実施できるよう、県としてどのように市町村を支援していくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 特定健診等の受診率向上について、お尋ねがありました。
 特定健診・保健指導は、生活習慣病の発症と重症化の予防を目指し、市町村国民健康保険などの保険者が実施しています。特定健診でメタボリックシンドロームと判断された方は、そうでない方と比べ、年間医療費が9万円程度高いという傾向が出ています。    
 現在、県では健康寿命日本一を目指して、様々な取組みを進めています。その中でも特定健診・保健指導は、県民の皆さんの健康増進につながり、医療費適正化の効果もある大変重要な取組みです。
 しかし、本県の受診率は全国平均を下回っており、特に市町村国保加入者の受診率が極めて低いことが課題となっています。受診しない理由として、健康だから、忙しいからという回答が多くなっていますので、自覚症状が無くても受診することの動機付けや、受診しやすい環境の整備などが必要だと認識しています。
 このため、県では、受診率の向上を目指し、今年度から新たな取組みをスタートしました。具体的には、受診していない方、お1人お1人に対する個別の案内や、健診の土日実施など効果的な取組みをメニュー化して市町村に示し、市町村の取組状況に応じ、県財政調整交付金を加算することとしました。市町村が取組みを進めるために、新たに保健師や管理栄養士を配置した場合も、加算の対象としています。
また、保健指導については、昨年度から、生活習慣病のリスクの高い方に自発的な生活改善を促す、保健指導のモデル事業を実施しています。
 さらに、現在、県では東京大学と連携して、県内全ての市町村が保有する特定健診のデータやレセプトデータをビッグデータとして解析しています。こうしたモデル事業の成果や、データ解析で判った地域固有の健康課題を、各市町村の保健指導に活用してもらうことで、住民の意識を高め、受診率の向上につなげていきます。
 今後、こうした取組みを着実に進め、受診率向上を図り、県民の皆さんの健康増進につなげてまいります。

高橋稔の要望


 特定健診・特定保健指導の受診率向上に向けまして、様々なメニュー化ということで御答弁を頂きました。実施体制で、がん検診との同時健診ですとか、いろいろな実施体制の確立がメニュー化の中にもあろうかと思います。一層の取組みを推進していくことを要望しておきたいと思いますし、質問の中でも申し上げました、人材といいますか、携わる方々の体制整備といいますか、そういったことも現場では大変苦労されている部分もあると考えますので、そういったところも、県がどうフォローアップしていけるのか、そういったことにも心を砕いて頂ければありがたいなと思っております。

3)介護保険制度改正への対応について

高橋稔 質問要旨


 医療介護総合確保法が成立し、介護保険法が改正される。今回の制度改正は社会保障と税の一体改革を踏まえ、一部利用者の負担増による費用負担の公平化を図るなど、かつてないほどの見直しである。
 また、地域包括ケアシステムの構築も大きな柱である。党としても推進本部を立ち上げ国に対して政策提言を行ってきた。高齢者の急増で高齢者単身世帯や認知症高齢者の増加が見込まれるため、高齢者が安心して自分らしい生活を継続できるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組を進めることは不可欠であり、介護保険の保険者である市町村の役割が増大し、その対応が求められている。
 そこで、地域包括ケアシステムを構築していくためには、市町村が主体となって取り組む必要があると思うが、現時点でどのような課題があると認識しているのか。また、課題を踏まえて、今後、どのように市町村を支援していくのか、所見を伺いたい。

知事答弁


 次に、介護保険制度改正への対応について、お尋ねがありました。
 今回の制度改正では、市町村がそれぞれの地域の実情に応じて、2025年までに、医療と介護の連携や生活支援サービスの充実強化などを図り、地域包括ケアシステムの構築を目指すこととされました。                           
 また、全国一律の基準により実施していた要支援1と2の方への訪問介護や通所介護サービスは、平成29年度までに各市町村が独自に行う地域支援事業に、移行されることとなりました。
そうした中で、市町村における課題は、「介護保険事業計画」の大幅な改定と、地域支援事業の柱となる介護予防や生活支援サービスの充実であると認識しています。
 そこで、課題を踏まえた市町村への支援です。
 まず、制度改正に伴い、市町村では「介護保険事業計画」について、地域の課題やその対応策などを盛り込み、地域包括ケア実現のための計画として、改定する必要があります。
 県としては、市町村域を越える医療と介護の連携などについて、保健福祉事務所ごとの地域包括ケア会議等を活用し、情報の共有や意見交換を行いながら、市町村を支援していきます。
 次に、介護予防や生活支援の充実についてです。
 介護予防事業においては、今後、リハビリだけではなく、生きがいを意識した高齢者の居場所づくりや社会参加を進めるための事業を展開していくことになります。
 その担い手として、NPOやボランティアなど多様な主体を活用することが効果的であり、そのため質の高い人材の育成が大変重要です。
 そこで、県では、介護予防従事者を育成するため、NPOやボランティアなどを対象とした新たな研修を、今年度から実施し、市町村を支援していきます。                 
 こうした取組みにより、市町村が主体的に地域包括ケアシステムを構築できるよう、支援してまいります。

高橋稔の要望


 知事からも、民間企業・NPOの参入があるでしょうということで、そういった事業主体の人材確保と質の確保は重要だという観点から、介護予防従事者に対する研修というご答弁をいただいたところですが、これも、いつまでに研修を受けなければならないとか、受講の期限につきましては、これまで介護予防事業に関わっていなかったボランティアの方々にとっては、負担となる場合も懸念されます。
そこで、研修の実施につきましては、その辺りも十分考慮していただいた上で、柔軟な対応がいただければと思いますし、市町村と連携しながら、高齢者の介護予防の推進に一層努めていただくことはもとよりですが、今申し上げました観点から、経過措置なども場合によっては考えながら、取り組んでいただくことを要望しておきます。

4)精神科入院患者の地域移行について

高橋稔 質問要旨

 本年4月から改正精神保健福祉法が施行され、精神科に入院する患者の地域移行を促進することとしており、また、国の有識者等による検討会の取りまとめでは、地域移行には、退院に向けた支援と地域生活の支援の両面からの取組が必要とされているが、さらに、必要な時に必要な医療が受けられるための支援が重要であると思う。
 本県では、精神患者が悪化した場合の精神科救急医療については24時間365日切れ目のない受入体制を整備しているが、精神疾患を持つ患者が身体の病気やけがで救急搬送される身体合併症救急患者は受け入れ困難となる場合が多く、受入体制を充実しなければならない。
 そこで、精神障害者が地域で安心して暮らすためには、退院に向けた支援、地域生活の支援、そして必要な時に必要な医療が受けられるための支援の3つの支援が必要と考えるが、それぞれの支援の現在の取組状況と今後の方向性について、所見を伺いたい。

知事答弁


 次に、精神科入院患者の地域移行における3つの支援についてお尋ねがありました。
精神科病院への入院は、医療保護入院など、患者の同意を得ずに行われることがあるため、回復後、速やかに地域に移行し、安定した生活ができるよう支援する必要があります。
 まず第一が退院に向けた支援です。
 精神科病院では、患者の入院時に、精神保健福祉士などを退院後生活環境相談員に選任し、地域生活の相談支援をする事業所と連携して、早期の退院に努めています。
そして、相談支援事業所は、入院中から、住居の確保や新生活の準備を行うための支援を行っており、県では、その経費の一部を負担しています。    
 第二に、地域生活の支援についてです。
 安心して地域で生活するためには、生活の場や相談支援体制、それを支える人材の確保が必要です。
そこで県では、グループホームの設置、運営に対する支援、一人暮らしの方などに行う相談事業に対する支援、専門的な支援が可能なホームヘルパーの養成などを行っています。    
 第三に、在宅の精神障害者が急に具合が悪くなった時の支援です。
 精神疾患と身体疾患を合併する救急患者については、受入先が見つからないといった問題があることから、受入先の確保が必要です。
そこで県では、特に受入病院が不足している県央・湘南地域の2病院で、精神科医の配置などに対して補助し、受入先の確保に努めています。  
 精神障害者の地域移行のニーズは今後ますます増加するものと見込まれますので、退院に向けた支援、地域生活の支援、そして、必要なとき必要な医療が受けられるための支援の充実が必要です。
 県として、引き続きこうした取組みを進めることで、精神障害者が地域で安心して暮らしていける社会の実現を目指してまいります。

高橋の再質問

 入院患者の地域移行に向けて、必要な時に必要な医療が受けられるための支援に絞って伺いたいと思います。今後充実させていきたいということであります。今、2病院で取り組んでいただいているわけですが、この保健医療計画の具体の目標の推進、速やかな推進、そして場合によっては政令市を含めてのこの協調体制、こういったこともしっかり本県がリーダーシップをとっていくべきではないかと思います。この2点について、再質問をさせていただきます。

知事答弁


今、二つの追加質問をいただきました。いずれも、具体の話になりますので、担当局長から答弁させます。

保健福祉局長

 それでは、保健福祉局関係の再質問にお答え致します。身体合併症の救急患者の受入体制を充実させること、これは必要なときに必要な医療を受けられるための支援として大変重要だと認識をしております。現在、受入対応施設は2病院でございますけれども、これは今後とも救急医療機関に働きかけをして身体合併症対応施設の拡充に努めていくというのが大変重要なことだと思っています。先ほどご質問にございました保健医療計画では、平成29年度までに6病院を指定するという計画を作っております。あと4病院でございますので、この目標達成に向けて働きかけをすでに始めておりますし、具体的なところを指定できるように全力をあげてまいります。 
 さらに、必要な時に必要な医療を受けられるために、そのために県内どのような形で連携をしていくかということでは、きめ細かく対応していく必要がございますので、政令市を含めた連携というものをしっかりと協議をしながらやらせていただきたいと思っております。

5)市町村子ども・子育て支援事業計画について

高橋稔 質問要旨


 子ども・子育て支援新制度では各市町村が地域の教育・保育への需要見込みを立て、今後のサービス供給量の確保計画を記載した「市町村子ども・子育て支援事業計画」を策定する。
 新制度ではパートタイムなどの短時間就労の保護者の子どもにも保育サービスが提供され、保育ニーズの大幅な増加が見込まれている。このような潜在的ニーズを把握し、今後のサービス供給計画を立てていく必要があるが、潜在的ニーズを含めた需要量の見込みや、供給量を確保していくための保育所の計画的整備の取組などについて、市町村間で格差が生じないよう、県が広域調整に取り組む必要がある。
そこで、各市町村の計画策定にあたって、県はどのような課題があると考えているのか。また、その課題克服をも含んで、市町村計画が適切に策定されるよう、広域的見地から県はどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁


 最後に、市町村子ども・子育て支援事業計画について、お尋ねがありました。
 市町村が策定する「子ども・子育て支援事業計画」は、地域の教育・保育にかかる需給計画であり、今後の保育所の整備計画といった性格も持つため、保育所の新設や定員増を認可する際の判断基準となります。
 このように、市町村計画は、今後の教育・保育サービスを実施するうえで大変重要な計画であり、計画には、正確な需要見込みと、需要に応じた保育所の定員確保など、サービスの供給策を位置づけることになります。
 現在、市町村では、昨年行った利用希望アンケートの結果を分析し、今後の保育ニーズを推計していますが、新たに利用可能となるパートタイムの方のニーズをどの程度見込むかが課題となっています。
 また、今後の保育サービスの需要増に対応した、認可保育所や小規模保育事業の整備など、保育サービスの供給策についても、実現性の高い計画とすることが必要です。
 さらに、短い準備期間の中で、すべての市町村が、スケジュールどおり計画策定を行うことが求められています。
こうした課題に対応するため、県では、これまで、市町村の担当者をメンバーとする計画策定ワーキングを開催し、国が示した需要見込みの算定方法や「Q&A」を詳しく説明するなど、市町村支援に取り組んできました。
 今後は、市町村計画の取りまとめにあたり、すべての市町村で等しくサービスが提供されるよう、個別に助言・指導を行うなど、地域の実情を踏まえた適切な計画策定に向けて支援してまいります。
私からの答弁は以上です。

高橋稔の要望

 市町村子ども・子育て支援事業計画、大変な重要な計画であります。この計画の是非で今後の子ども・子育て支援が円滑にいくか決まってまいります。
 十分な取組みをお願いして質問を終わります。ありがとうございました。

6)帰宅困難者対策について

高橋稔 質問主旨


 神奈川県地震災害対策推進条例では、事業者が一斉帰宅の抑制に必要な措置を講じるよう努めることを定めた。しかし、事業者の役割を示すだけでは、いざというときに混乱が生じる懸念がある。
 例えば、同じビルや一つの街区に、一斉帰宅を抑制する事業者と即時帰宅する事業者が混在していたのでは、駅に滞留する帰宅困難者や交通渋滞などの混乱を抑える取組の効果が薄れる。
 一斉帰宅を抑制する対策について、ビルや街区といった単位で進めることは非常に有効だが、民間の取組を待つのではなく、県からの働きかけが必要である。また、家族の安否確認について事前に事業者が対策を講じる必要もある。
 そこで、帰宅困難者対策における一斉帰宅の抑制をより実効性のあるものとするため、地域や民間との連携を含め、県の現状の取組と、今後どのように取り組もうと考えているのか、所見を伺いたい。

安全防災局長答弁

 安全防災局関係の御質問に、お答え申し上げます。
 帰宅困難者対策について、お尋ねがございました。
 まず、一斉帰宅の抑制に関する、県の現状の取組みについてでございます。
災害発生時には、大量の帰宅困難者が道路や駅にあふれ、危険な場合がありますので、むやみに移動せず、安全な場所にとどまる「一斉帰宅抑制の考え方」が大切です。そこで、県では、地震災害対策推進条例に一斉帰宅の抑制を明記するとともに、様々な方法で一斉帰宅の抑制について普及啓発を行っています。
 また、都内への通勤者や通学者も多いことから、九都県市が広域的に連携して、事業所や学校における一斉帰宅の抑制を周知しています。加えて県では、市町村や交通事業者、駅周辺の事業者、住民団体などと連携して、一斉帰宅の抑制を含めた帰宅困難者対策訓練を行っています。
 さらに、県では毎年、県内の経済団体との会合において、企業の防災担当者に一斉帰宅の抑制を働きかけています。本年2月の大雪の際には、県民に不要不急の外出を控えることや、県内の経済団体を通じて事業者向けに一斉帰宅抑制の呼びかけを実施いたしました。
次に、一斉帰宅の抑制に関する、今後の取り組みについてです。
 今後は、経済団体だけではなく、大型商業ビルの管理者や学校などに対しても、一斉帰宅抑制についての働きかけを広げます。また、災害が発生したときには、家族の安否が確認できないことが、帰宅困難者が増える原因の一つとされています。そこで、県では、通信事業者が提供する災害伝言ダイヤルの使い方についても、事業所内で周知するよう働きかけます。
 帰宅困難者対策は、まず、出来る限り発生を防ぐことが重要です。そのためには、一斉帰宅の抑制が鍵となります。県としては、一斉帰宅の抑制の考え方が定着するよう、引き続き事業者や団体などに対する取り組みを強化していきます。
以上でございます。

7)県立高校改革の推進について

高橋稔 質問要旨

 今年7月、政府は少子化が進む中で、小・中学校の統廃合に関する指針を約60年ぶりに見直し、再編による規模拡大を積極的に後押しする方針を固めた。教育の質を確保する上で必要な子どもの数や、学級数を維持できない学校が増えていることに対応するため、新たな基準を設け、年内にも全国に通知するとの報道もある。全国の教育委員会は政府の動きを見すえながら、少子・人口減少社会に対応した学校教育のあり方や、学校への支援策などについて検討し始めている。
 子どもたちの成長・発達にとって、学校教育は少子化が進む中でどうあるべきか真剣に考える時期を迎えている。
そこで、今後、生徒の減少が見込まれる中、これからの県立高校改革を進めるうえで、県立高校における適正な学校規模の考え方について伺いたい。

教育長の答弁要旨

 教育関係について、お答えします。
まず、県立高校改革における、高校の適正な学校規模の考え方について、お尋ねがありました。
本県では、平成11年から足かけ10年間に及ぶ県立高校改革に取り組み、総合学科など新しいタイプの高校を設置したほか、単位制を導入し、多彩な選択科目を設定するなど、多様な学習ニーズに応えてきました。
また、この改革では、公立中学校卒業生徒数が昭和63年の約12万2千人から、平成11年には約7万7千人へと減少したことを受け、学校行事などの面で、活力ある教育活動が展開できる学校規模を確保することとし、1学年6学級から8学級を標準としました。
こうした中、現行の標準規模の学校であるにもかかわらず、例えば、平成25年度では、部活動で、他校との合同チームでしか大会等に参加できない学校が延べ73校、36チームもありました。また、1学年6学級規模の学校の体育祭では、生徒による応援合戦の活気がなくなるなど、学校全体の活力にも影響が見られています。
 さらに、学級数の減少は、教職員数の減少を伴い、教職員一人当たりの校務分担が増加し、生徒と向き合う時間の確保が難しくなるなどの課題も見えてきました。
加えて、今後の中学校卒業生徒数の動向は、今年、3月の約7万人から、平成40年3月には、約6万2千人へと、減少することが見込まれています。
 こうした中、今年、6月の学識者等で構成する県立高校改革推進検討協議会からの報告では、部活動や授業の展開、校務分掌などについて、学校の小規模化による課題が生じており、学校の標準規模を1学年8学級から10学級とすることが望ましいとの意見をいただきました。
 これらを踏まえ、教育委員会としては、より学校の活力を高め、円滑な学校運営を行うためには、県立高校の再編をとおして、現行の標準規模以上にすることが望ましいと考えています。
今後、こうした考え方を基本としつつ、学び直しを必要とする生徒を支援するクリエイティブスクールなどについては、現行の1学年6学級を維持することも含め、それぞれの学校や生徒の実態に応じた学校規模とすることを検討してまいります。

8)高校生等奨学給付金について

高橋稔 質問要旨

 国は平成26年度当初予算において、低所得世帯への支援策として高校生等奨学給付金を創設し、県もこれに対応して当初予算に計上した。しかし、昨年度は公立高校授業料無償制見直しの影響で、高校生等奨学給付金については制度の詳細な周知が早期にできなかったと考える。給付金の申請期間はこの9月の1箇月間であり、初年度であるからこそ申請漏れが生じないよう円滑な給付を行う必要がある。
 高校生が経済的な理由で学業を断念することがないよう、今後も奨学のための給付金制度の充実が必要であり、平成27年度の文部科学省の概算要求でも低所得世帯への更なる教育費負担の軽減を図るため、高校生等奨学給付金の拡充が盛り込まれている。
 そこで、高校生等奨学給付金の円滑な給付に向けてどのように対応していくのか。また、この給付金制度が創設された意義は極めて大きいことから、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

教育長の答弁要旨

 次に、高校生等奨学給付金について、お尋ねがありました。
 この給付金は、国公立・私立を問わず高校等に通う経済的に課題を抱えた生徒にとって、大変意義のある支援制度と認識しています。この制度をより効果的なものとするためには、制度が創設された今年度において、十分な周知を図るとともに、円滑に給付事務を行うことが重要です。
 そこで、制度の対象となる、県内の公・私立の全ての高校1年生に、学校を通じて制度概要のお知らせを配付しました。また、県のホームページや「県のたより」などを活用して周知を行っています。
 さらに、日本語を母語としない保護者のために、10か国語による制度のお知らせを作成・配布しました。併せて、他部局とも連携し、県内の福祉事務所を通じた周知にも取り組んでいます。
 このような周知の取組に加え、事務手続を円滑に進めるため、実際に申請書を受理することになる県内の高校等に対して、7月下旬に制度の詳細について説明会を実施しました。
しかしながら、制度開始初年度であることから、本来、給付対象となる世帯の方が、気づかずに、受給機会を失ってしまうおそれもあります。
 そこで、給付金の申請期間についても、柔軟に対応することとし、期間内である9月末までに提出が困難な理由がある場合は、12月中旬まで提出期限を延長することとしました。
 こうした様々な取組を行い、申請漏れの防止と、円滑に給付事務が行われるよう万全を期してまいります。
 次に、今後の取組ですが、教育委員会では、今年度の申請状況や生徒、保護者などの声も聴きながら、例えば、学校による支給条件の緩和など、必要に応じて、国に制度の見直しを働きかけていきます。
 そして、来年度の国の予算の動きも見極めながら、経済的に課題を抱えた生徒も、より就学の機会が得られるよう、しっかりと制度を運用してまいります。以上でございます。

平成25年6月13日(木)本会議 代表質問

1)京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区について

髙橋稔 質問要旨

 ライフサイエンス関連産業の海外展開が円滑に進むためのサポートなど、特区における国際戦略の強化を目的として、「ライフイノベーション国際協働センター(GCC)」が4月に開設され、5月には、県との初の協働の取組として、会員企業が知事の米国訪問に同行し、州政府機関や大学などとの意見交換に参加するなど精力的に活動している。
 しかし、GCCが有する機能を効果的に発揮し、会員企業等の海外展開を後押しするには、対外的なPR活動はもとより、会員企業等の個別プロジェクトに関する知的財産戦略、新たな事業展開に向けた資金調達、さらには、ライフサイエンス分野の研究を行う大学や研究機関、特に国との連携などに関する支援が必要であり、同じ方向を目指す国からの様々な支援を引き出すことが重要である。GCCは設立から間もないが、だからこそ、中期的な将来を見据える必要があり、県も、こうした点を視野に入れて、取組を進める必要がある。
 そこで、GCCとの協働に向け、国との連携も含めた県の具体的な対応について、どのように考えているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスにおいては、特に、医療・健康分野の成長戦略をどう進めていくのか、特区を推進する本県にとって大変重要であります。
 先日も、私が、菅(すが)官房長官に直接、お目にかかり、規制緩和の実現等に対して政治のリーダーシップを発揮していただくよう強く要望いたしました。
 こうした国の動きを先取りする形で、昨年11月、ライフサイエンス関連産業の国際展開を後押しする仕組みとして、私がGCC構想を提唱し、わずか5ヶ月というスピード感で、GCC、「一般社団法人ライフイノベーション国際協働センター」が設立されました。
 GCCは、新たにヘルスケア産業に参入する企業などに対し、海外展開の支援などを行う「産業化支援」、個別化医療など重要なテーマに関する「国際共同研究」、さらには「次世代のヘルスケア産業を担う専門人材の育成」といった機能を担っています。こうした機能が十分に発揮されることで、ライフイノベーションの実現が加速され、特区の目標実現に寄与すると期待しています。そして、より高い効果を発揮するためには、県としても、様々な形により、GCCと協働で取り組むことが必要と考えます。
 例えば、GCCの開設後には、メンバーズミーティングの開催、米国訪問への会員企業の同行、さらには、米国訪問報告会の開催などを協働で実施しています。
 特に、今般の米国訪問により、メリーランド州知事やFDA元長官など主要な人的ネットワークを築くことができましたので、今後、GCCの会員企業等が個別プロジェクトを具体的な国際展開につなげる際に、大いに活用できるものだと期待しております。
 さらに、県としては、ライフイノベーションの実現に向けて、GCCの活動を後押しするために、国との連携・協力も重要と考えます。
 そこで、私自身が、規制緩和や研究開発資金などの獲得に向けた国への働きかけ、国関係の研究機関との共同研究の橋渡しなどに取り組むことで、GCCの機能強化を目指してまいります。

高橋稔 再質問

 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区におけるGCC、ライフイノベーション国際協働センターの役割は大変重要なものだと共に認識している。この成否でいかに県内のこの参加企業、会員企業のみならず、冒頭申し上げたように我が国の成長戦略に資することができるかという、大変大きな使命もあろうかと感じているところでもある。
 国との連携を伺ったところであるが、やはり、この情報の収集、生きた情報、会員企業において真に有効な情報。このGCCに参加していて良かったと言われるようなそういう中身というのが、大事ではないかなと思う。この辺、知事も超多忙であるから、知事お一人の、この参与としてのご活躍は当然のことであるが、これは本県が総力をあげて情報収集に努めていく必要があろうかというふうにも考えている。
そういった意味では、本県では科学技術政策大綱もきっちり定めているが、その中にも国際戦略総合特区、明確に位置づけられているというふうに承知している。
 そういった意味で、国においても司令塔の重要性が今言われているが、本県の知事のリーダーシップは当然のこととして、この司令塔、強力な科学技術推進の体制、これらについて、もしご所見があれば、この際伺っておきたいというふうにご決意で結構なので、伺っておきたい。

知事答弁

 グローバルコラボレーションセンター、この司令塔の機能というご質問だと思いますが、つい先日、米国の報告会をやった時に、大変いろいろな企業が参加いただきまして、80人くらい参加下さったということでありまして、その皆さんの関心の高さを非常に強く感じたところでありました。
 そして、私は昨日、ヘルスケア・ニューフロンティアという言い方をしました。
 そこに参加されている企業、皆さんと名刺を交換すると、お宅はライフサイエンスの分野でしょうかというふうに、あえてこちら聞き返すようなそんな企業がたくさんありました。
 それは、まさに新しい世界が今、広がろうとしているんだなということを実感した次第でありました。今、そういう、うねりというか、流れが来ているということを実感した次第でもありました。
 こういったものをしっかりと形にしていくためにはスピード感といったものが非常に大事だと思っておりますので、科学技術会議の有識者のご意見などをいただきながら、この流れをさらに加速させていきたいと考えている次第であります。

高橋稔の要望

 是非、しっかりと様々な観点でご協議して、県政を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

2)予防接種に関する協議の場の設置について

髙橋稔 質問要旨

 感染症は、ひとたびまん延すると、個人の健康に重大な影響を及ぼすだけでなく、広く社会経済生活に大きな影響を与える。
予防接種は、感染症の最も基本的かつ効果的な対策の一つであり、県民の生命と健康を守る重要な手段であるが、副反応の可能性もあり、慎重な対応を求める意見もある。
 アメリカでは、「ワクチン接種の実施に関する諮問委員会」という組織があり、ワクチンの安全性や効果等について協議し、政府に提言を行っているが、わが国にはこうした組織はない。
 県では、「医療のグランドデザイン」や「神奈川県保健医療計画」において、予防接種に関する県レベルの方針等の調整を目的として、現場の予防接種医や感染症の専門家、行政との定期的な協議の場、神奈川版ACIPを設けることとしている。
 そこで、予防接種については、立場の異なる方々が定期的に協議を行うことのできる場を設けることは非常に意義のあることだが、こうした協議の場の設置に向けた、現在の検討状況を伺いたい。

知事答弁

 次に、予防接種に関する協議の場の設置に向けた検討状況についてお尋ねがありました。
  予防接種は、単に県民個人の感染防御にとどまらず、感染症の流行防止という公衆衛生上の意義を有しており、医療費の節減にもつながるものです。
しかし、我が国では、アメリカのようなワクチン接種について協議・提言する諮問委員会、いわゆるACIPのような機関がなく、定期接種の種類は、WHOが推奨する標準ワクチンに比較して、少ない状況にあります。
 少子化が進む中、予防接種を徹底し、子どもを育てることは、活力ある県の将来にもつながるものです。
そこで、県は、医療のグランドデザインや県保健医療計画の中で、「神奈川版ACIPの設置」として、感染症等の専門家と行政との定期的な協議の場を設けることとしています。
 一方、国では、平成25年4月の改正予防接種法の施行に伴い、従来の予防接種部会を格上げした「予防接種・ワクチン分科会」を設置し、公募参考人を加え、予防接種施策全般について国民的な議論を行うこととしました。
  本県は、この流れをさらに進め、既存の県感染症対策協議会とは別に、神奈川版ACIPを、予防接種に関係する現場の当事者が、自らの問題意識を基に、自由に討論できる研究会として、7月を目途に設置することとしています。         
 構成員は、現場の医師、感染症の患者団体、子育てのNPO、予防接種政策の経験者、マスコミの方などを予定しています。
  この研究会の議論を報告書として取りまとめ、県内のワクチン行政の改善に役立て、さらに県から国へ提言を行うことにより、神奈川から今後の予防接種のあり方を発信していきたいと考えています。

高橋稔 再質問

 ACIPのこの予防接種に関する協議の場の設置ありがとうございます。是非、このワクチン行政について、様々なご意見があることは承知しております。だからこそ、しっかりとこの協議の場で、神奈川版ACIPから国へのしっかりとした発信もしていけたらと期待しております。目的は不安の除去ということであろうと思っております。
 ワクチンは国防であるというふうなご意見もあると伺っております。そういった意味ではこの点につきましてもう一言、7月に立ち上げていくわけですけども、ワクチンということに対する知事のご見解、もし、もう一言、二言付け加える点がありましたら、この際、伺っておきたいと思います。

知事再質問への答弁

 神奈川版ACIPに関して、ワクチンについての見解をということでありましたが、日本のワクチンは非常に遅れていると考えます。
 私自身が知事になる前に、厚生労働省の予防接種部会のメンバーでありました。何とかしてその遅れを取り戻さなければいけないということでありましたが、なぜ遅れたのかというと、やはり一番肝心なポイントでありますが、ワクチンというものは100%の安全ということはまずないということです。副反応の事故というのは、これは避けられないということです。
 ただ、それがどのくらいの確率で起きるかということだということです。これまで、なぜ日本が後進国になってきたかというと、副反応事故が起きるたびに、メディアが大きく捕らえて、大変なことが起きたと、元気な子が死んじゃったんだと、非常にエモーションに伝えることによって、それが裁判になったりもして、そして基本的に国が負けるということになる。それでこんな危ないものはやめとこうということで、どんどんやめていったという歴史が実はありました。そのときに、ひとり亡くなった時に、では何人打ったことにより、その副反応事故が起きたのかという、分母、これが実は日本の今の現状ではよく分からないということがあるわけです。そういうことによって、実は海外では普通に使われているワクチンの多くは日本で使えてないという状況になっている。
 これを乗り越えていくには診療情報のオープンということ、我々は今、医療の電子化、電子カルテ、マイカルテということでお薬手帳の電子版から始めていますけども、そのビッグデータ、診療情報をどんどんオープンにしていって、そしてその分母がはっきりと分かってくるような、そういう透明性ということを同時に進めていかなければ乗り越えていけない問題だということです。最近、新しく子宮頸がんワクチンをやってみたら副反応が起きたということで、さあどうするのかといった時に右往左往するという、今までの歴史がまた繰り返されるということであります。
 ですから、その情報をしっかりと皆で共有できるような体制づくりと同時に、そもそもワクチンは何なのかということをしっかりと皆様とともに共有していくことが大事だということを私は思っております。

高橋稔の要望

 ぜひしっかりと様々な観点で御協議して県政を進めていただきたいと思います。

3)さがみロボット産業特区について

高橋稔 質問要旨

 先日、知事から「神奈川版オープンイノベーション」で開発していく生活支援ロボットのテーマや「さがみロボット産業特区協議会」で生活支援ロボットの実証実験を公募するとの発表があった。
 生活支援ロボットの開発・実用化を進める上で、利用者のニーズの把握や使い勝手の確認を行う実証実験は不可欠であるが、中小企業等にとっては、実証実験の場を確保することが非常に難しいところである。
 今回、県をはじめ「さがみロボット産業特区協議会」では、実験場所や実験モニターの手配、関係機関との交渉などを行うとのことであるが、より多くの企業が「さがみ」の地で実証を行いたいと考えるようにしていくためには、どのような実証実験でも対応できる施設を整備することや、実証実験以降の円滑な事業化等に向けた適切な支援が必要である。
 そこで、企業の実証実験をサポートするにあたり、県しかできない強みを発揮し、魅力的な実証の場を確保・充実していくとともに、実証実験後の展開もフォローしていくことが大切だが、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、「さがみロボット産業特区」について、お尋ねがありました。
 まず、実証の場の確保・充実についてです。
 実証実験は、「さがみロボット産業特区」の根幹をなすものであり、様々な実験が行える場を、予め確保しておくことが重要です。現在、区域内で行う実証実験の計画を全国から募集しており、様々な形の実験が今後行われていくことになります。
 例えば、製品化間近の介護支援ロボットであれば、介護施設など実際に使われる環境で、実際に使用する人に、その使い勝手を試してもらうことが必要です。
 このように、ロボットの種類や研究開発の進み具合など、計画の内容や特性に応じて、求められる実証場所や条件は大きく異なってきます。
 そこで、「さがみロボット産業特区」で進める実証実験においては、総合防災センター等の県有施設を使うほか、地域協議会のメンバーである、神奈川県総合リハビリテーションセンターなどにも協力をいただくこととしました。
 さらに、本特区の趣旨に賛同いただいた複数の企業から、現在、自社の研究・実験施設や住宅施設などを実証の場に提供したいとの申し出をいただいています。今後、それらの有効活用を図るとともに、民間との共同による実証施設の整備についても検討してまいります。
 次に、実証実験後の展開へのフォローについてです。
 実証実験で確認された技術課題を解決するため、産業技術センターでアドバイスを行うほか、改良に必要な技術を持つ企業との連携の機会も提供していきます。
 また、国際ロボット展をはじめとした技術展示会等で、神奈川県の専用ブースを設け、対外的なPRの機会を提供していきます。併せて、産業振興センターで経営支援のアドバイスを行うなど、事業化や販路開拓に向けた支援も展開していきます。
 今後とも、実証実験の場の確保・充実と、実用化に向けたフォローを行い、「さがみロボット産業特区」から、生活支援ロボットが次々と生まれるよう、精力的に取り組んでまいります。

高橋稔の要望

 重度障害者医療費助成制度の精神障害者の方への拡大についてでございますが、答弁でも着実に市町村がこの事業を展開するようになってきているというふうに今思いました。また、これから来年度でしょうか5市町村も考えているというような答弁をいただけたわけですけれども、先程、上杉鷹山の話をさせていただきましたが愛と信頼というふうに藩政改革を行ったと史実を学びましたけれども、市町村との信頼関係にひびが入らないようにお願いしたいと。やはりしっかりした話合いが必要でしょうし、県が一方的に補助金をゼロベースでと言ってもですね、市町村もそういった県の一部補助という裏づけがあったが故に取り組んでいこうとしているわけでしょうから、そういった意味ではその信頼関係にひびが入らないように対応をお願いしたいと思います。そういったことが鷹山が藩政改革をした上での視点でもあったのではないかというふうに、上杉鷹山にこだわりますけれども知事が所信表明であれほど紹介されましたので学んでみましたけれども、そのようなところを是非お願い申し上げたい。知事と以前、障害者団体の会合に行かれたときも障害者の方々の差別撤廃ということが大事だということでそういう宣言をされた大会に同席したこともございましたので、そういったところでは共有できるかなという思いを強くしているところでございます。

4)防災・減災等に資する国土強靭化基本法成立に向けた本県の取組について

高橋稔 質問要旨

(1)大規模地震に対応したレジリエンスの強化について
 「防災・減災等に資する国土強靭化基本法」が、国政の場で議論されているが、この法案は、現状の対策や地域の脆弱性を評価したうえで、新に重要な対策に重点的に取り組み、強くてしなやかな国土づくりを進めるものであり、県をはじめ、地方公共団体においても取組を進めることとされている。 大規模地震から県民を守る観点から、「抵抗力」「回復力」を確保するという考え方であるレジリエンスの強化に向けた対策を進める必要があり、まずは、これまでの被害想定を検証するとともに、重点的に調査、検討すべきポイントを明確にすべきである。また、本県には、温泉地学研究所や海洋科学技術センター横浜研究所のような地震災害に関わる研究を担う機関が集積している。こうした機関とのネットワークを基に、地震の予知から復興までの様々な対策の強化を図ることも重要である。
 そこで、地震に対する抵抗力や回復力、いわゆるレジリエンスの強化に向けて、地震被害想定調査や具体的な地震災害対策にどの様に取り組むのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、大規模地震に対応したレジリエンスの強化についてです。
 東日本大震災では、強い揺れや想定を超える津波により甚大な被害が生じ、震災から2年以上が経過した現在でも、復旧・復興は途半ばの状況です。
 本県にとっても、地震に対する抵抗力や回復力、いわゆるレジリエンスの強化の観点から、地震災害対策の強化は重要な課題であります。そのためには、地震による被害をあらかじめ想定し、災害に強く、早期の復旧・復興につながるまちづくりや地域の防災力強化など、県として、真に必要な対策を重点的に講じることが必要です。 
 そこで、本年度から実施する地震被害想定調査のポイントですが、地震による被害の量だけでなく、時間の経過とともに変化する被害の状況を想定し、それに対応する応急活動のシナリオを作成します。
 また、本県には全国有数の石油コンビナートがありますので、地震・津波によるタンクなどの火災や爆発の可能性、影響の範囲を把握するため、「石油コンビナート地震被害等予測調査」も併せて実施します。
 こうした調査に加え、県内に集積された研究機能の活用や、国や大学等との連携も地震災害対策の強化を進めるうえで、重要です。
現在、県の温泉地学研究所が文部科学省の首都直下地震の研究プロジェクトに参加し、大学や国の研究機関とともに、首都直下地震の観測や震源モデルの解明などの研究活動の一翼を担っています。
 さらに、今年から2年間にわたり、県は、横浜国立大学と共同で、事前復興計画をテーマに政策研究を進めています。 
 県としては、引き続き、大学や研究機関との連携を進めるとともに、地震被害想定調査の成果をもとに、レジリエンスの強化に向けて、予防対策から復旧・復興対策まで、地震災害対策の一層の充実に努めていきます。

高橋の要望

 大規模地震に対応したレジリエンスの強化、「レジリエンス」、私も初めて本会議で述べさせていただきました、回復力でございます。予防もさることながら回復力が大事でございます。この東日本大震災でも「時が止まっている」ということを述べておられる被災者の方もおられました。「時が止まっている」、たいへんに重い言葉だというふうに、私は強く受け止めさせていただきました。未だ、被災者の方は生活再建がままならない、また、復興が本当に思うように進んでいない、諸般の事情あろうかと思いますけれども、このレジリエンスの強化ということをしっかり私どもは想定しておきながら、本県の防災対策に取り組んでおく必要があろうかと思って、知事に伺ったところでございます。まだまだ縷々申し上げたい点はございますけれども、これからの常任委員会等でしっかり詰めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

高橋稔 質問要旨

(2)防災・減災に資する具体的な県土づくりについて
 本年3月に「かながわ都市マスタープラン(津波対策編)」を策定し、最大クラスの津波からいのちを守るための予防対策と都市復興に備えた事前の取組を継続的に取り組んでいくこととしている。
 概ね数百年から千年に一回程度発生する最大クラスの津波には、これまでの都市づくりでは対応できないことが明らかであり、沿岸部を抱える本県においては、最大クラスの津波に備えた都市づくりを進める必要があるため、いのちを守るための予防対策と被災後の都市復興を想定した事前の準備を、この「津波対策編」としてとりまとめ、「かながわ都市マスタープラン」に追加したものと承知している。
 そこで、国の新法制定の動向を踏まえ、津波対策の強化に向け、どのように県土づくりに取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、津波対策の強化に向けた、県土づくりの推進についてです。
 県は、望ましい県土・都市像と、都市づくりの基本方向を示した、「かながわ都市マスタープラン」を策定しています。
 東日本大震災を受け、都市づくりの面からも、津波対策を強化する必要があることから、本年3月に、本プランを改訂しました。この改訂では、県内の全ての人が総力でいのちを守ることや、迅速かつ円滑に都市復興を進めることを基本的な考え方としています。
 こうした考え方の下、最大クラスの津波から、いのちを守るための予防対策として、津波から逃げやすく、建物や都市施設が被災しにくく、被災時においても最低限の都市施設が維持できる都市づくりを、目指すこととしました。
 そこで、県は、津波が乗り越えても壊れにくい海岸保全施設の整備、被災時も複数の輸送路を確保できる交通ネットワークの形成、津波からいのちを守るための津波避難施設の整備などに、順次、取り組んでいきます。
 一方、今国会に、大規模災害に備えた国づくりを目指した、「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」が提出されています。
 この法案では、まず災害リスクの把握、分析を行い、その上で、人命の保護や、社会の重要な機能が致命傷を受けない、といった視点から、施策の重点化を図ることを掲げています。
 県としても、今後、津波も含めた地震被害想定調査を、実施することにより、災害リスクの把握、分析を行い、災害対応力の強化の視点から、施策の重点化を図りながら取組を進め、津波に強い県土・都市づくりを、しっかりと推進してまいります。

5)第7回線引き見直しに向けた取組について

高橋稔 質問要旨

 本県では、県土・都市づくりをめぐる状況の変化に対応するため、第7回線引き見直しに向けての取組を始めたところである。
 都市計画の分野では、人口減少や少子高齢化が進展する中、地球環境問題や都市経営の効率化等に対応するため、人やモノの移動の少ないコンパクトな都市を構築していく「集約型都市構造化」の重要性が謳われている。
 また、地方分権一括法により、都市計画においてこれまで県が有していた権限の移譲が進み、政令指定都市においては、さらなる権限移譲が進んでいくことが見込まれている。
 こうした中、昨年から学識者で構成される検討会を立ち上げ、この4月には検討会から、「集約型都市構造化への取組み」や「都市計画に関するマスタープランのあり方」といったテーマについて提言を受けたと聞いている。
 そこで、検討会からの提言を受け、次回、第7回線引き見直しに向けて、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、次回線引き見直しに向けた取組について、お尋ねがありました。
 これまで県では、市街化区域と市街化調整区域の区分の見直し、いわゆる線引き見直しを、概ね5年ごとに行ってきました。
その際、社会経済情勢の変化や、新たなまちづくりの課題に対応するため、学識者に意見を伺いながら、県土の土地利用の方針を定め、計画的な市街地整備の推進や、良好な自然環境の保全に努めてきました。
 次回の線引き見直しにあたっても、学識者による検討会から、二つの提言をいただきました。
 一点目は、政令指定都市を含めた市町への権限移譲が進む中にあっても、広域的な課題に対応できるようにすること。
 二点目は、コンパクトな都市づくり、いわゆる集約型都市構造化を目指すという方向性を、県として広く県民に訴え、集約すべき拠点を示していくべき、との提言をいただきました。
 県は、これらを受け、一点目の提言に対して、政令指定都市を含む複数の市町にまたがる緑の保全や、幹線道路ネットワークの確保など、広域的に調整すべき課題を、関係する市町が共有し、相互に協調した取組みができるように、調整を進めています。
二点目の提言に対しては、市町のどこの地域を拠点として集約すべきか、また、集約化への取組状況はどのようなものかについて、市町の考えを聞いているところです。
 こうした中、小田原市などにおいては、昨年12月に、新たに施行された、「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、二酸化炭素の排出を削減するため、都市機能を集約化する取組みをはじめようとしています。
 県は、今後、さらに市町と調整を重ね、県民の方々や事業者からも、広く意見をお聞きしていきます。    
 その上で、年内を目途に、線引き見直しにおける県の基本的な考え方を策定し、市町に提示した後、都市計画の素案の作成に着手します。
こうした取組みを通じ、人口減少、少子高齢化といった社会情勢の変化や、新たなまちづくりの課題に対応した線引き見直しを行っていきます。

6)高齢者が安心して暮らせる県営住宅の取組について

高橋稔 質問主旨

 大都市圏の公共的住宅は、高度成長期の住宅需要に応えるため、昭和30、40年代にかけて数多く作られ、当時の入居者が一斉に高齢化することで、団地そのものの老朽化と住民の高齢化が進み、その結果、団地におけるコミュニティ機能も低下してきており、福祉等の施策と住宅施策のマッチングにより、高齢者が安心して暮らせる取組を行っていく必要がある。具体的には若い人を県営住宅に呼び込んだり、社会福祉法人等によるサービス拠点を確保し、団地の活性化を図ることが重要である。
  現在、県が改正中の「県営住宅ストック総合活用計画」では、地域コミュニティの活性化に向け、県営日野団地でモデル的に取組を進めることが盛り込まれているが、入居者のことを考え、丁寧に進めることが大切である。福祉等の施策と住宅施策の連携などのモデル事業を定め、成功事例を作ることは大事なことだが、そのためにも、協議体やネットワークをつくり、主体的に取組を進めていくことが重要である。
  そこで、今後、県営住宅において、高齢者が安心して暮らせるためにどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、高齢者が安心して暮らせる、県営住宅の取組みについて、お尋ねがありました。
 本県は、これまでに経験したことがない、超高齢社会が到来することが見込まれ、今後、そうした社会の変化に対応していくことが大きな課題となっています。
 その中でも、県営住宅は、住んでいる方の高齢化が著しく進んでいることから、介護や医療施策などと連携して、高齢者が暮らしやすくなるよう、取り組んでいくことが重要であります。
 また、コミュニティの活性化という面からも、支援や介護を必要としない、元気な高齢者が活躍する場を、団地内に設けていくことや、子育て中の若い世代に住んでいただくことも欠かせません。
 こうした取組みの一つとして、神奈川県住宅供給公社では、相模原市の相武台団地で、サービス付き高齢者向け住宅や、訪問介護事業所、子育て支援施設などの整備を進めています。
 県においても、生きがいや、保健・医療・福祉サービス等の拠点を、県営住宅にどのように整備していくのが望ましいのか、その方向性について、部局横断的に検討を始めたところです。
 そこで、この8月に改正を予定しています「県営住宅ストック総合活用計画」に、住宅施策と介護や医療施策などを組み合わせることを位置づけ、モデル的な取組みを進めることで、高齢者が健康で安心して住み続けられる県営住宅をめざしてまいります。

7)転落防止用ホームドアの設置促進に向けた取組について

高橋稔 質問要旨

 昨今、鉄道駅のホームからの転落事故や、ホーム上での列車との接触事故が多発している。目の不自由な方の転落防止対策が重要だが、事故が起きれば、鉄道利用者への影響が非常に大きい事から、特に利用者の多い駅におけるホームドア等の転落事故防止対策は重要な課題である。
 国では、以前から国と地方が連携して鉄道事業者によるホームドア等の転落防止対策の実施を支援するスキームを持っており、平成23年8月に国が設置した検討会の中間取りまとめにおいても、視覚障害者からの要望が高い駅、利用者が多い駅について、優先的に転落防止対策を実施するという方針が示されている。
 本県においては、ホームドア等の転落防止に効果の高い対策を実施している駅は、約60駅にとどまり、特に乗降客数が10万人以上の駅については、横浜市営地下鉄横浜駅ただ一駅である。
 そこで、障害者を含め鉄道利用者全体の安全と、安定した鉄道輸送の確保の視点から、ホームドアの設置促進に向けて、県として、今後、どのように取り組んでいこうとしているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、転落防止用ホームドアの設置促進に向けた取組みについて、お尋ねがありました。
 これまで、県は、鉄道利用者の安全確保は、鉄道事業者の責務であるとの認識のもと、県内全自治体とともに、「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」を通じて、鉄道事業者に対し、ホームドアの設置の要望を重ねてきました。
 しかし、ホームドアの設置には、ホームの構造によっては、補強工事が必要となるなどの「コスト面」と、扉の位置が異なる車両に対応できないなどの「技術面」の課題があり、設置が進んでいない状況です。
 こうした中で、国は、平成23年3月に「ホームドアは、優先すべき駅を検討し、地域の支援の下、可能な限り設置を促進する」との方針を示し、鉄道事業者への財政支援だけでなく、ホームドアが抱える課題に対応可能な技術開発も進めるとしています。
 この国の動向を受け、東急電鉄株式会社など、県内鉄道事業者の中には、国及び自治体からの支援の下、ホームドアの設置に前向きな姿勢を示す事業者も出てきています。
 一方、県内で発生したホームからの転落などによる人身障害事故の件数は、平成15年度では4件だったものが、平成23年度には15件と大幅に増加しています。
 また、近年、鉄道各社の相互直通運転の拡大により、利便性の向上が図られる一方で、ひとたび事故が発生すると、広い範囲でダイヤが乱れ、県民の社会経済活動に与える影響も大きくなっています。
 このため、県としては、鉄道利用者の安全確保に加え、利便性向上の観点からも、ホームドア設置の必要性が、益々高まっているものと認識しています。
 このホームドアは、様々なタイプが開発されており、設置費用の低減も図られてきています。
 そこで、県としては、このような技術開発の動向を把握しながら、利用者の多い駅がある政令市と連携し、少しでも早くホームドアの設置が進むよう、設置促進方策を検討してまいります。

8)修学資金貸付事業を含めた、待機児童解消加速化プランへの対応について

高橋稔 質問要旨

 わが国では、働きたいという意欲を持ちながら、働いていない女性が30代を中心に342万人居ると推計されている。30代の女性は、ちょうど子育て世代にあたり、その力の発揮のためには、仕事と子育ての両立支援が重要である。仕事と子育ての両立支援には、両立しやすい職場環境の整備と平行して、子育て中の家庭が確実に保育所を利用できることが望まれるが、本県においては、大きく減少したとはいえ、今年4月1日時点の待機児童数が1,462人と、「待機児童解消道半ば」と言った現状にある。
 4月末に、国の「待機児童解消加速化プラン」が発表され、現在、プランの具体化が図られようとしているところである。プランには、保育の量的拡大と質の確保に向けて、様々なメニューが位置づけられているが、例えば、保育士修学資金貸付事業については、国の財源を活用できるので、ぜひ導入すべきである。
そこで、県として、修学資金貸付事業を含め、国の「待機児童解消加速化プラン」に対して、どの様に対応していくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、「修学資金貸付事業を含めた、待機児童解消加速化プランへの対応」についてお尋ねがありました。
 このプランは、待機児童の解消に向けて、平成25年度及び26年度の2年間を「緊急集中取組期間」とし、全国で約20万人分の保育の受け皿を確保できるよう自治体の取組みを支援するものです。
 具体的には、5つの柱として、賃借方式や国有地も活用した保育所の整備、保育の量的拡大を支える保育士確保、小規模保育事業など新制度の先取り、認可を目指す認可外保育施設への支援、事業所内保育施設への支援が掲げられています。国が、待機児童の解消に向けて、一層の支援策を打ち出したことは、待機児童を抱える市町村の多い本県としては、時宜を得たものであると受け止めています。
 先日、国から、プランの具体的内容が示されましたので、早期にその効果的活用を図れるよう、事業の実施主体となる市町村と調整してまいります。
 議員お尋ねの保育士修学資金貸付事業は、保育士養成校の学生に修学資金を貸し付け、卒業後、県内の保育所等で5年以上就業した場合、その返済を不要とすることにより、保育士の確保を図るものです。
この事業は、待機児童解消加速化プランに位置づけられており、安心こども基金を活用し、県が一部財源を負担して実施するものです。
 県内の養成校でも経済的理由による中途退学者がおり、この事業に対するニーズがあるとの声も聞いています。
一方、現時点では、平成25年度の入学者だけが対象とされており、来年度以降の入学者を対象としていないのでは、保育士数の増加には繋がらない、といった課題があります。
 今後、こうしたニーズと課題を踏まえ、この貸付事業にどう取り組んでいくのか、早急に検討してまいります。あわせて、このプランの目的が十分に果たせるよう、安心こども基金の延長など、制度改善を国に強く求めてまいります。

9)ネット依存対策について

高橋稔質問要旨

 近年、インターネットに没頭することにより過剰利用状態となり、心身ともに日常生活に支障をきたす状態、いわゆる「ネット依存」の危険性が話題となっている中、横須賀市にある国立久里浜医療センターでは、全国に先駆けてネット依存治療専門外来を開設した。
  しかしながら、ネット依存には明確な診断基準がないことから、現在は病気として認知されておらず、診断基準の早期の作成が求められているところである。
  久里浜医療センターの調査によると、ネット依存の傾向にある者は、成人だけで全国におよそ271万人いると推計されている。
  そこで、「いのち輝くマグネット神奈川」を標榜する本県として、また、県内にネット依存治療で全国的に有名な久里浜医療センターという地域資源があることも踏まえ、全国に先駆けて、モデル的にネット依存対策に取り組む必要があると考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

 最後に、ネット依存対策についてお尋ねがありました。
 本県では、小・中・高等学校それぞれの発達段階に応じて情報モラル教育を実施し、特に高等学校では、情報の授業で、ネット依存による心身への悪影響などについて取り上げています。
 また、中学生や保護者向けのリーフレットを作成・配布し、家庭の中でも意識を高め、インターネットの正しい利用について促すこととしています。
しかし、いつでもどこでもインターネットに接続できるスマートフォンの普及に伴い、ネット依存の対象者が増えてきていると言われており、取組みを強化していく必要があります。
  ネット依存治療に先進的に取り組む久里浜医療センターからは、「県には、ネット依存に関する相談機能や啓発活動を充実してもらい、必要に応じて、久里浜医療センターに繋げてほしい」との意見をいただいています。
 そこで、県は、久里浜医療センターから講師を招き、精神保健福祉センター等の職員に研修を行うこととし、県として、ネット依存に関わる相談に対応できるような体制を作っていきます。
 また、ネット依存に関する社会的な認知を高めて、正しい知識を普及するため、ホームページ等で県民にわかりやすく情報提供していきます。
 さらに、韓国で作られ、久里浜医療センターが翻訳している、ネット依存の評価尺度であるK/スケールが、自己診断基準になることなどの周知に努めていきます。           
  このように、県は、久里浜医療センターと連携を図ることにより、ネット依存に悩む当事者や家族への支援を行っていきます。
 また、インターネットの使用時間の制限や、フィルタリングなどの有効なネット依存予防策について検討し、国や業界に提案していきたいと考えています。


平成24年9月20日(木)本会議 一般質問

1)県庁周辺の県有施設の見直しについて

髙橋稔 質問要旨

県有施設の見直しについては、「原則全廃の視点による見直しの断行」という神奈川臨調の厳しい意見を踏まえ、県ではゼロベースでの徹底した見直しを行うこととしている。
 県有施設の見直しについては、「設置目的」や「公民の役割分担」などの観点から行うとされているが、市町村、特に政令市との関係を踏まえた検討を行うことも必要である。
 また、県有施設の見直しに当たっては、「利用価値に見合った利活用」という視点も重要である。特に、横浜市内の県有施設は、交通の便が良く、県庁に近いという優位性があり、それぞれの価値に見合った十分な利活用が求められるが、現実の施設運営を見ると、必ずしも十分な利活用が図られていない。
 そこで、県庁周辺にあり、利用価値の高い「神奈川自治会館」、「横浜合同庁舎」、「かながわ県民センター」の利活用について、所見を伺う。

知事答弁

髙橋議員のご質問に順次お答えします。
はじめに、県庁周辺の県有施設の見直しについてお尋ねがありました。
 現在、県庁周辺には、本庁の4つの庁舎のほかに、職員の福利厚生施設として利用してきた自治会館や、県税事務所等が入る横浜合同庁舎などの県有施設があります。        
 一方で、県の庁舎に入りきらない本庁の一部の課や教育委員会などについては、5つの民間ビルに、延べ床面積にして約8,200平方メートルを借り上げて入居しており、この借上げに係る経費に年間約4億5千万円ほどかかっております。 
 緊急財政対策に取り組む中で、県有地・県有施設の有効活用と賃借料の縮減は喫緊の課題と考えております。
 このため、福利厚生施設としての機能を廃止した自治会館については、これを事務室に転用し、有効活用する検討を始めたところです。
 また、横浜合同庁舎は、今後、本庁庁舎の耐震工事を行う場合に仮移転先を確保する必要がありますので、その際の仮移転先としての活用なども検討してまいりたいと考えております。
 さらに、かながわ県民センターの入庁機関や機能の見直しの中で、民間ビルに入居している県機関を県民センターに集約化できないかなど、検討してまいります。             
 今後、こうした検討を一体的に行うことにより、県庁周辺の県有施設の有効活用と借上げ庁舎の解消を図ってまいります。

2)再生可能エネルギー普及促進のための税制措置について

髙橋稔 質問要旨

 神奈川県地方税制等研究会から再生可能エネルギー普及促進のための税制措置について中間報告がされ、太陽光発電や省エネ住宅などの普及促進に向けた税の軽減措置と、将来発生するであろう財政需要を賄うための財源確保策の考え方が示された。
 もちろん、本県が独自に財源を確保し、先駆的な施策を展開していくことは意義のあることだが、エネルギー政策は、未だ全体的なスキームが明確にされていないことに加え、今後、消費税率の引上げをはじめとする各種の負担増加が予定されている中で、本県独自に新税などを導入すれば、県民の理解が得られるか疑問である。
 そこで、かながわスマートエネルギー構想の推進に当たり、課税自主権を活用した独自の財源確保策を講ずることについて、所見を伺う。

知事答弁

再生可能エネルギー普及促進のための税制措置についてお尋ねがありました。
「かながわスマートエネルギー構想」は、将来にわたり安全・安心なエネルギーを安定的に確保するため、エネルギーの地産地消を進め、分散型のエネルギー体系の構築を目指すものであります。
こうした地方独自の取組のために、課税自主権を検討することは、地域主権の観点からも必要であります。
先般、地方税制等研究会から、法改正を伴うものに絞り込み、中間報告をいただきましたが、課税自主権の活用も視野に入れ、税の軽減措置や財源確保策について、今年度中に最終報告をいただく予定になっております。
 今後、スマートエネルギー構想を推進するための税制措置について、どのようなアイデアをいただけるのか、研究会の議論に期待しているところであります。
 このうち、お尋ねのありました課税自主権を活用した財源確保策については、新たに負担を求める以上、県民の皆様のご理解が不可欠であります。
 現在、消費税率アップや復興増税など、既に様々な負担の増加が予定されている中で、雇用・所得環境は依然として厳しい状況にありますので、更に新たな負担をお願いすることについては、研究会の最終報告を待った上で、慎重に検討を行ってまいります。
なお、再生可能エネルギーの普及を後押しする税の軽減措置については、今後、具体化に向けた検討を進めてまいります。

3)重度障害者医療費助成の精神障害者への拡大について

高橋稔 質問要旨

県は、極めて厳しい財政状況に対応するために、知事を本部長とする緊急財政対策本部を設置し、今般、学識経験者等で構成する調査会からの中間意見が提出された。この中間意見においては、「すべての補助金を一時凍結」との報道もあり、これまで県が市町村へ補助してきた重度障害者医療費助成制度に与える影響が懸念されるところである。
重度障害者医療費助成制度は、平成24年度の重点的な取組みの一つとして、精神障害者への適用拡大が実施されたところであり、県が、精神障害者へ適用を拡大したことは、3障害一元化の第一歩である。
そこで、県は、早期にすべての市町村において精神障害者が制度の対象に加えられるようご努力していると思うが、どのような取組みを行っているのか、また、今後も安定的な制度の運営が求められると考えるが、所見を伺う。

知事答弁

次に、重度障害者医療費助成制度についてお尋ねをいただきました。
県は、本年度から、重度障害者医療費助成制度について、障害者の地域生活支援施策の充実の一環として、精神障害1級の方の通院を対象に加えました。                
この制度は、市町村が重度障害者に対して医療費を助成する場合に、県がその一部を補助するものであることから、県は、本年2月に検討会を設置し、市町村に精神障害者を対象に加えるよう働きかけてきました。
 検討会は、毎月1回程度開催し、すでに精神障害者を対象としている市町の現状をお聞きしながら、医療証の発行や更新など、精神障害者への対象拡大にあたっての課題について、活発な意見交換を行っております。
 この結果、精神障害者を対象としている市町村は、本年2月には12市町でしたが、現在は14市町村となっています。本年度中にさらに5市町程度が実施を予定しており、平成25年度からの実施に向けて、検討を進めている市町村もあります。
 今後の制度運営でありますが、県は、危機的な財政状況を受け、緊急財政対策本部を設置し、財政の抜本的な構造改革に取り組んでいるところであり、補助金についてもゼロベースで見直すこととしております。
対策本部の調査会の最終意見を受けて、今後、県としての取組方針を検討してまいります。重度障害者医療費助成制度につきましては、社会保障と税の一体改革とも関連、見直しによる県民や市町村への影響という観点からも検討してまいります。

高橋【要望】

 重度障害者医療費助成制度の精神障害者の方への拡大についてでございますが、答弁でも着実に市町村がこの事業を展開するようになってきているというふうに今思いました。また、これから来年度でしょうか5市町村も考えているというような答弁をいただけたわけですけれども、先程、上杉鷹山の話をさせていただきましたが愛と信頼というふうに藩政改革を行ったと史実を学びましたけれども、市町村との信頼関係にひびが入らないようにお願いしたいと。やはりしっかりした話合いが必要でしょうし、県が一方的に補助金をゼロベースでと言ってもですね、市町村もそういった県の一部補助という裏づけがあったが故に取り組んでいこうとしているわけでしょうから、そういった意味ではその信頼関係にひびが入らないように対応をお願いしたいと思います。そういったことが鷹山が藩政改革をした上での視点でもあったのではないかというふうに、上杉鷹山にこだわりますけれども知事が所信表明であれほど紹介されましたので学んでみましたけれども、そのようなところを是非お願い申し上げたい。知事と以前、障害者団体の会合に行かれたときも障害者の方々の差別撤廃ということが大事だということでそういう宣言をされた大会に同席したこともございましたので、そういったところでは共有できるかなという思いを強くしているところでございます。

4)県立病院の今後の展開について

高橋稔 質問要旨

今年の3月、横浜市大都市自治研究会の「第1次提言」が出された。
基本的な考え方として、市内で実施している事務、その業務を担当している職員、設置されている公共施設等を、全て横浜市に移管するという大胆な提言であり、横浜市内にある「県立こども医療センター」「県立がんセンター」「県立精神医療センター」等の県立病院は、横浜市への移管の対象と記載されていた。
私の地元、港南区にある精神医療センター芹香病院と同センターせりがや病院は、統合し平成26年度のオープンを目指し整備が本格化することになる。
精神医療センターの再整備によって、本県の精神科医療の中心的な役割を担っていく環境が整い、いのち輝くマグネット神奈川の実現に向け、更に一歩、県として踏み出すことができると期待している。
そこで、横浜市の研究会で横浜市への移管との提言が出されている県立精神医療センターについて、県立病院として存続される意義、役割をどのように考えているのか伺う。

知事答弁

次に、県立精神医療センターについてお尋ねがありました。
県立精神医療センターは、精神保健福祉法により、都道府県に設置が義務付けられている精神科病院として、県域全体を対象に、民間病院では受入れが困難な重症患者を受入れています。
また、本県の精神科救急医療体制の中で、基幹7病院33床のうち、約半数の16床を確保し、基幹病院として役割を担っています。
さらに、心神喪失等の状態で、殺人などの重大な犯罪を犯し、無罪判決等を受けた者などを治療することは、国と都道府県等の役割となっています。
そのために、精神医療センターは、医療観察法病床を持っています。
このように、精神医療センターは、県立病院として民間病院では対応が困難な専門医療を提供し、県内全体の精神科医療における、まさしくセンターとしての役割を担っていると考えております。

高橋【要望】

続きまして、県立病院の今後の展開についてです。
精神医療センターが核となって、中核のところで活躍して行くのは当然のことですが、各都道府県の医療計画に、従来の「がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病」の四大疾病に加え、国では「精神疾患」を新たに加えて「五大疾病」とする方針を決めたわけです。
従いまして、本県でも本年度改定される県保健医療計画に、精神疾患の対策が明確に盛り込まれると仄聞しいていますが、本県の精神保健医療・福祉は現在重要な局面を今、迎えているのではないかと思います。
そこで、再整備が進められている県立精神医療センターを核としてとの答弁がありましたが、ハード面の整備だけでなく、精神科救急医療体制の更なる強力な体制の構築、また、合併症患者の受入も含めたソフト面での機能の確立も求められてくると思う。
国でも五大疾病と方針を決めた精神医療なので、是非、しっかりしたキーセンターになるように強く要望させていただきたい。 

5)市民後見人の養成について  

高橋稔 質問要旨

本県では、急速に高齢者が増加しており、平成27年度には、県内世帯の概ね5軒に1軒は高齢者のみの世帯となる。
 県民の高齢化が進めば、それに応じて認知症高齢者の増加が進む。
 こうした中、高齢者の一番の心配事は、自分が認知症となり、適正な判断が出来なくなった場合の財産管理や生活支援である。
 判断能力が十分で無くなった方々の権利を守る制度として成年後見制度があるが、弁護士や社会福祉士などの専門職の後見人は絶対的に不足しており、専門職以外の後見人の確保は喫緊の課題である。
 このため、国では、老人福祉法等の改正を行い、市民後見人の養成を市町村の役割と位置づけ、県は、市町村の支援を行うこととされた。
そこで、県として、市民後見人の養成について、市町村への支援を含めて、どのように取り組んでいこうと考えているのか伺う。

保健福祉局長答弁

市民後見人の養成について、お答えします。
高齢化が進展する中で、成年後見制度は高齢者や障害者の権利を守り、地域での生活を支える重要な役割を担っております。
現在、成年後見人は、親族の場合が多くなっていますが、弁護士や社会福祉士、司法書士、行政書士などの専門職や法人が選ばれることもあります。
今後は、近くに親族がいない高齢者世帯の増加や、親なき後の障害者への支援、さらには、身近なところでの生活全般への支援の高まりなどにより、後見制度としての法人後見や市民後見人の必要性が増してくるものと認識しております。
現在、県内で家庭裁判所から選任を受けている市民後見人は6名にとどまっており、今後、市民後見人の養成が促進されるよう、本年7月に、市民後見人養成あり方検討会を設置し、養成方策の検討を進めております。
現時点では、養成研修のうち、基礎研修は県が、実践研修は市町村が担うという役割分担のもとで進めていくことなどが検討されており、11市町村からは県と連携して養成に取り組むとの意向が示されております。
今後、県は、これらの市町村と連携して市民後見人の養成に取り組み、そこで得たノウハウなどを他の市町村に普及し、市町村の取組みが促進されるよう働きかけてまいります。
また、市民後見人の活動をバックアップできるよう、後見業務に取り組もうとする市町村社会福祉協議会に対して、助言や助成をしてまいります。
私からの答弁は以上です。

6)高齢者の住宅対策について

高橋稔 質問主旨

昨年4月に高齢者の居住の安定確保に関する法律が改正され、新たに、安否確認などの生活支援を行う、「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度」が創設された。
本県では、住宅部局と福祉部局とが連携し、平成23年4月に「高齢者居住安定確保計画」を策定し、このサービス付き高齢者向け住宅について、平成26年度末までの供給目標を4,500戸としている。
登録がスタートしてから、まだ1年弱であるが、今年度中にも26年度の供給目標を超える勢いで進んでいる。
高齢者だけで暮らしている世帯は、今後も大幅な増加が見込まれており、なお一層、サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進していくべきであり、我が党もマニフェストで、この住宅の大幅な拡充を提唱している。
そこで、本県では、この住宅の供給促進策についてどのように考えているのか、また、エンドユーザーである県民に対してどのような対応を考えているのか伺う。

知事答弁

次に、高齢者の住宅対策について、サービス付き高齢者向け住宅について、お尋ねがありました。
 この住宅は、昨年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の改正により、新たに制度化されたバリアフリー住宅で、介護・医療と連携した、高齢者への支援や見守りサービスなどが受けられるものです。
 本県では、サービス付き高齢者向け住宅が、確実に到来する超高齢社会への備えとして重要であるとの認識から、「かながわグランドデザイン」において、平成26年度までに登録戸数4千5百戸という目標を掲げました。
 そこで、この住宅の供給促進策についてですが、県と市町村、不動産団体などで構成する「神奈川県居住支援協議会」を通じて、今年2月に1都3県の225の事業者を対象に、制度の周知を図るとともに、今後の事業予定や供給促進に向けた課題等についてアンケート調査を実施いたしました。
 この調査で、事業用地を提供する土地所有者に対して事業の普及・啓発が必要との結果を得たことから、今年度は、土地所有者への説明会や見学会などを開催することとしております。
 また、入居者となる県民への対応としては、サービス付き高齢者向け住宅の物件情報や、入居者募集情報を、迅速、かつ分かりやすく提供する仕組みを検討し、早期の実施を図ってまいります。
 今後、県といたしましては、こうした取組みを通じて、高齢者の居住の安定を確保してまいります。

7)犯罪被害者等の支援の充実について

高橋稔 質問要旨

本県は、全国に先駆けて総合的な「犯罪被害者等支援条例」を制定し、条例に基づく犯罪被害者等支援推進計画を策定して、被害者支援施策の総合的、計画的な推進を図っているが、来年度が最終年度となることから、来年度には、計画を改定して、より施策の充実を図っていくことが必要になってくると考える。
  計画に基づく本県の被害者支援の取組の中心となるのは、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」による被害者支援の取組である。
そこで、来年度に予定されている計画の改定にあたっては、これまでの施策の実施状況を様々な角度から検証して、しっかりとした改定をしていただきたいと考えるが、計画改定に向けてどのように取り組んでいくのか。また、サポートステーションと近隣都県や県内の市町村との相互の連携強化を図ることも必要と考えるが、今後、どのように犯罪被害者等の支援を推進していこうとしているのか、所見を伺う。

知事答弁

最後に、犯罪被害者等の支援の充実について、お尋ねがありました。
まず、計画改定についてですが、「犯罪被害者等支援推進計画」については、毎年度、取組みを検証し、施策の充実を図ってきたところです。
昨年度の取組みについては、この9月4日に、有識者等による検証委員会から検証結果が示され、教育の場と連携した普及啓発の拡大などの意見をいただきました。
今後も、私が力を注いでいる「いのちの授業」の一環として「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を構成する県警察が主体となり、中・高生に対して、犯罪被害者の実情と命の大切さを伝えるため、「いのちの大切さを学ぶ教室」を実施いたします。
計画最終年度の25年度には、改めて4年間の取組みを検証していただき、「よりきめ細かな被害者支援策」や「県民の被害者等への理解促進」、「被害者を支える多様な人材の育成」などの観点から、充実した計画を策定いたします。
今後の犯罪被害者等の支援の推進についてですが、被害者支援については、都道府県によって支援の内容に相異があるのが現状です。
そこで、本県が呼びかけて開催しています、関東1都6県の担当課長による意見交換会を通じて、各都県の支援の充実・連携に向けた取組みを進めてまいります。
また、県内市町村との連携についてですが、横浜市が本年6月に相談窓口を開設しましたので、法律相談などについては県のサポートステーションへ、福祉に関する相談などについては市の窓口へ、相互に橋渡しをしています。
今後、他の県内市町村とも様々な形で連携を強化し、犯罪被害者等が必要とする支援をきめ細かく提供できるよう、取り組んでまいります。
私からの答弁は、以上です。

8)高齢運転者の運転免許自主返納について

高橋稔 質問要旨

本年4月に改正道路交通法施行規則が施行され、運転経歴証明書の再交付や住所変更が可能となり、本人確認書類としての機能が向上するなどした結果、免許証を自主返納する高齢者が増えた。
高齢運転者が免許証を返納することは、高齢運転者が第一当事者となる交通事故を防止する上で大変重要であるが、自主返納や運転経歴証明書制度を知らない県民も多く、更なる周知を図ることが必要である。
また、県警察は、「神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会」を発足 し、返納した高齢者に対して、参加企業による各種のサービスを行っているが、他の都道府県では、返納した高齢者の移動支援として、バス、タクシーの割引な どを行っている。
 本県も、公共交通機関等の同協議会への参加を促進し、様々なサービスを行うことが、更なる免許証の自主返納に繋がると考える。
 そこで、運転免許の自主返納や運転経歴証明書の申請状況及びこれらの周知方 策に ついて伺う。併せて、自主返納された高齢者に対する移動支援のあり方に ついて伺う。

警察本部長答弁

○高齢運転者の運転免許証の返納についてお答え致します。
○始めに、運転免許証を返納された方は、本年8月末現在、4,099人で、前年同期と比較して、2,642人増加しております。
 この内、65歳以上の高齢者が、3,854人と全体の約94パーセントを占めております。また、運転経歴証明書を申請された方は、本年8月末現在、3,132人で、2,579人の 増加となっております。この内、65歳以上の高齢者が、2,968人と約95パーセントを占めております。
本年4月に、改正道路交通法施行規則が施行され、運転経歴証明書の本人確認書類としての機能が充実したこと等により、運転免許証の返納や運転経歴証明書の申請は、高齢者を中心に大幅に増加しております。
○県警察では、ホームページへの搭載や更新時講習、高齢運転者を対象とした交通安全教室等における広報啓発のほか、自治体等関係機関・団体と連携し、各種広報誌等を活用して、返納制度の周知を図っているところであります。
○次に、運転免許証を返納された高齢者に対する支援についてであります。
 運転免許証の返納を促進し、高齢運転者の交通事故防止を支援することを目的として発足した「神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会」では、加盟の店舗や施設等において、運転経歴証明書を提示することにより、各種割引きや優待等を受け ることができます。
○議員ご指摘のとおり、運転免許証を返納された高齢者の移動を支援するために、バス、タクシー等の公共交通機関の事業者が協力している県もあり、県警察と致しましては、こうした支援は大変望ましいことと考えております。
 県警察と致しましては、バス、タクシー等の事業者に対して、サポート協議会への加盟を含めた協力を働きかけるなど、引き続き支援の拡充を図って参りたいと考えております。


本会議代表質問。2015.9.11 本会議一般質問。2014.9.17本会議代表質問。2014.6.13